ひげよ、さらば 下 [文学 日本 児童書]
犬たちとの戦いを終え、猫たちのもとへ帰る主人公ヨゴロウザ。しかしそこでヨゴロウザに何故か憎しみを抱く名無し猫に出会う。死闘の末、ヨゴロウザは右目を失う。さらにボロボロのヨゴロウザをノラ猫さがし猫が助け、彼を「兄貴」と慕う。
その後は、猫たちのもとへ帰り、リーダーとなってみんなを独裁的にまとめようとするが、失敗。マタタビ(麻薬?)に溺れる。が、片目に救われる。その後犬たちとの死闘。仲間の死。仲間の死を目の前にした友の発狂。別れ。などなど次々と事件が起こっていく。
独裁者の苦悩、争いに巻き込まれ血を見た時の普段とは違う心の高ぶり、野生の血、戦地で仲間の死を見た人たちのトラウマによる心の病、麻薬による心の崩壊、など様々なテーマを扱っているのはわかる。
だが、やはり動物が主人公ということもあるのかもしれないが、どうしてもその世界に入り込みきれなかった。自分を客観視する視点、穏やかだが冷酷なリーダーなど、上野瞭らしい世界観はあるのだが、かれの「ちょんまげもの」シリーズに比べると一段落ちる気がする。名作とかなり名高い作品だっただけに、さらにかなりの長編だっただけに、少し残念な感じだった。
ちなみに、『ルドルフとイッパイアッテナ』は若干、この『ひげよ、さらば』にインスパイアされている気がする。
高い丘の歌 [ディーリアス 声楽曲]
1. With Quiet Easy Movement
★★★★★★★☆☆☆
悲劇的な物語の始まりのような感じで始まる。その後悲劇的に盛り上がって行くが、途中から牧歌的な感じになる。最後は壮大に終わる。歌は入らない。
2. Very Slowly
★★★★★★☆☆☆☆
ゆったりとした天国的な曲。歌は入らない。
3. In Tempo
★★★★★★☆☆☆☆
東洋風のゆったりとしたメロディをフルートが奏で、もやっとしたオケがそれを支える。
後半若干、ヴォカリーズによる合唱が流れる。
4. Very Quietly
★★★★★★☆☆☆☆
ヴォカリーズによるソロの歌手たちの異国的なメロディが歌われ、その後ろでこれまた異国的な伴奏が流れる。その後幻想的な合唱となり、壮大な雰囲気となっていく。
段々と穏やかになり最後は静かに終わる。