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人生のミサ Part2 [ディーリアス 声楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』を歌詞にしたミサ曲らしい。

1. On the Mountains
★★★★★★★☆☆☆
「山上にて」
穏やかで平和的な日の出をイメージさせる雰囲気で始まる。結構壮大な曲。

2. "Herauf! Nun Herauf, du GroBer Mittag!"
★★★★★☆☆☆☆☆
「竪琴の歌」
激しい合唱で始まる。途中から少し伸びやかな感じになり、最後は勝利感に満ちた力強い感じになる。

3. "SuBe Leier! Ich Liebe Deinen Ton...!"
★★★★★☆☆☆☆☆
「舞踏歌」
夜をおもわせるゆったりとした雰囲気で始まり、テノールが静かに歌い始める。

4. "La, la, la!..."
★★★★★★★☆☆☆
「ラララ」
夜を感じさせる静かなしっとりとした始まり。段々と熱を帯びてくるが、再び静かになりしっとりとした調べとなる。オーケストラだけの曲。

5. "HeiB Mittag Schlaft Auf Den Fluren."
★★★★★☆☆☆☆☆
「牧場の真昼に」
女性の合唱で静かに始まる。テノールの一人語りのような中間を経て、力強い女声合唱になり、最後はテノールの一人語りに戻り静かに穏やかに終わる。

6. "HeiB Mittag Schlaft Auf Den Fluren②."
★★★★★★★☆☆☆
「牧場の真昼に」
非常に牧歌的に始まる。心暖まるメロディを持った長めの前奏のあと、合唱となり、その後テノールソロとなる。皆はじめの前奏のメロディを歌うのでメロディが心に残る。
突然暗くなり、テノールが悲しげなメロディを歌う。
少し静かになり、今度はソプラノが悲しげなメロディを歌う。
最後は天国的な雰囲気になり静かに終わる。15分近い大作。

7. "Gottes Weh Ist Tiefer..."
★★★★★★☆☆☆☆
「歓喜の歌」
テノールの激しい歌で始まる。花畑のような美しい雰囲気の伴奏の上を、少し激しい暗い雰囲気のメロディをテノールが歌う。中盤から合唱が入ってきて壮大な雰囲気となる。

8. "Kommt. LaBt Uns Jetzt Wandeln!"
★★★★★★☆☆☆☆
「喜びへの感謝の歌」
もやっとした感じで始まる。テノールが一人語りのように静かに単調に歌い始める。途中段々と熱を帯びてくるが再び静かに穏やかになる。魂が段々と純化されていくように、合唱も加わり崇高な雰囲気となっていく。後半劇的に盛り上がって行き、最後は静かに終わる。

リヒャルト・シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』よりは面白い。
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おしゃべりなカーテン [文学 日本 安房直子 あ行]


おしゃべりなカーテン (文学の扉)

おしゃべりなカーテン (文学の扉)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/06/22
  • メディア: 単行本



安房直子の『おしゃべるなカーテン』を再読。次男と寝る前に一章ずつ読んでいった。

洋服屋さんを営んでいたおばあさんが、ふと思い立ちカーテン屋を始める。それを孫のはる子が手伝う話。一番初めに、店にかけるカーテンを作るのだが、そのカーテンが言葉を話しはじめる。お客さんから依頼されたカーテンを作る際に、そのカーテンが色々と助言を与えるという話。カーテンを縫うときに歌う歌があり、それがリズムよく楽しい歌詞で、子供たちも口ずさんでいた。

1. カーテン屋さんのカーテン
◎梅雨時期
おばあさんがはじめて作ったカーテンをまどにかけると、カーテンが話し出す。次の日からずっと雨が降り続きお客さんは来ない。しばらくして、カーテンが「あけて、あけて、外を見て」と話し出す。窓を開けてみると雨が上がっていて空には虹!!!。

2. 海の色のカーテン
◎夏
ある日海で生まれ、海で育ったものの、都会に仕事に来ているお客さんが、海を思い出したいと海色のカーテンを作ってくれ、と頼みに来る。話をする白いカーテンの勧めで、薄いレースを5枚重ねた海色のカーテンが完成する。

3. 月夜のカーテン
◎十五夜?
はる子が野原を歩いていると、ふと声が聞こえる。探すとそこには小さな蝶々。夏の愛だ飛びすぎて疲れているが、日の光、月の光がまぶしすぎて眠れないという。そこで蝶々ように、小さな夜のカーテンを作ってあげる。

4. 秋のカーテン
◎秋
台風がやってきてお客さんは来ない。仕事もする気にならないおばあさんだが、白いカーテンが作りだめしておくことを勧める。一日で55枚も作り、「秋色カーテンできました」と看板を出す。

5. ねこの家のカーテン
◎きんもくせいの香る季節
ある日いい陽気でおばあさんがウトウトしていると、塀の上のねこたちの話し声が聞こえる。色々話しているうちに、リボン模様のカーテンを作って彼らの家に届けてあげることになる。最後に猫から、お土産に半月型の小さなワッフルをもらう。

6. 歌声のきこえるカーテン
◎晩秋
枯葉の季節、なんとなく忙しくイライラしているおばあさん。それに対して白いカーテンが、「かれ葉は散るとき歌をうたうのよ」というが、おばあさんは取り合わない。そんなおばあさんに
「けんかをしているときはだめですね。いそがしすぎるときもだめですね。心がおたがいにすなおで静かなときでないときこえません。」という。そうしているうちにおばあさんは病気に。静かに眠ろうとすると自然の声が聞こえる。

7. ピエロのカーテン
◎クリスマス
町にサーカスがやってきて、ピエロが手品に使うカーテンを求めてやってくる。黒いビロードのカーテンを作ってあげると、ピエロはそれを広げて飛び立ち、星を捕まえに行く。

8. お正月のカーテン
◎お正月
家を綺麗にしてお正月を迎えようと、おばあさんは家中を綺麗に。やっと終わったと思ったら白いカーテンが自分も洗って、と頼む。しかも手洗い。はじめは躊躇したおばあさんも、はる子と一緒に洗ってあげる。新鮮な気持ちでお正月を迎える。

9. 雪の日の小さなカーテン
◎冬
雪の日、カーテン屋さんにおばあさんねずみがやってくる。昔結婚式の時に身につけたベールをカーテンにして欲しいと頼まれる。人間のおばあさんとねずみのおばあさんが協力してベールを作り上げ、最後にお礼としてまほうの針さしをもらう。

10. 春風のカーテン
◎春
ある日、妊婦の若い女性が、あかちゃんの部屋に飾るカーテンを頼みに来る。白いカーテンに進められ若草色の素敵なカーテンを仕上げる。10日後、若い男性がカーテンを取りに来る。前回来た女性の夫で新しく生まれた男の子のお父さん。

最後は風が白いカーテンを揺らし、春の匂いを感じさせて終わる。

一年間の流れに合わせ、小さいエピソードをはさみながら物語を紡いでいくこの話。派手な感じではないが、なんとなく心が温かくなる作品集となっている。あんびるやすこさんは、安房直子さんに影響を受けているのでは?とおもわせる作品集。次男も「これの続きの本はないの?」と読み終わったあとに尋ねてくるくらい楽しい作品だったようだ。
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人生のミサ Part1 [ディーリアス 声楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』を歌詞にしたミサ曲らしい。

1. O du Mein Wille, du Wende Aller Not!
★★★★★★☆☆☆☆
「祈りの意志への呼びかけ」
いきなり合唱が劇的に歌いだす。結構激しい音楽だが、段々と壮大な映画音楽のような感じになっていく。

2. Erhebt Eure Herzen, Meine Bruder...
★★★★★★☆☆☆☆
「笑いの歌」
テノールのソロ。野原の愛らしい草花が目に浮かぶような軽い感じの曲。1分強の短い曲。

3. Erhebt Eure Herzen, Meine Bruder...
★★★★★★☆☆☆☆
「笑いの歌」
合唱とオケが幽玄な伴奏をする中、テノールが静かに歌いはじめる。その後ソプラノが悲しげなメロディを歌う。その後もテノールとソプラノが順番に歌い、「ランラン」という合唱が始まり、楽しげな雰囲気となっていく。中盤は劇的なフーガ的雰囲気となる。
後半、テノールが悲しげなメロディを静かに歌い始める。
最後、ソプラノが「ツァラトゥストラ」と歌い始め、哲学的になり終わる。
15分近い大曲。

4. In Dein Auge Schaute Inh Jungst, O Leben.
★★★★★★☆☆☆☆
「人生の歌」
テノールが激しく歌い始め合唱が答える。そのまま激しい雰囲気で終わる。3分弱の短い曲。

5. Wehe Mir!
★★★★★★☆☆☆☆
「謎」
牧歌的な雰囲気で始まり、静かにテノールが歌い始める。中盤少し盛り上がる。少し幻想的な雰囲気。10分弱の曲。

6. Nacht Ist Es...
★★★★★★★☆☆☆
「夜の歌」
ホルンがひたすら美しく穏やかなメロディを奏でる曲。終始静かで美しい雰囲気に満ちた曲。歌はない。
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ひげよ、さらば 下 [文学 日本 児童書]


ひげよ、さらば―猫たちのバラード〈下〉 (新潮文庫)

ひげよ、さらば―猫たちのバラード〈下〉 (新潮文庫)

  • 作者: 上野 瞭
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2023/02/07
  • メディア: 文庫



犬たちとの戦いを終え、猫たちのもとへ帰る主人公ヨゴロウザ。しかしそこでヨゴロウザに何故か憎しみを抱く名無し猫に出会う。死闘の末、ヨゴロウザは右目を失う。さらにボロボロのヨゴロウザをノラ猫さがし猫が助け、彼を「兄貴」と慕う。

その後は、猫たちのもとへ帰り、リーダーとなってみんなを独裁的にまとめようとするが、失敗。マタタビ(麻薬?)に溺れる。が、片目に救われる。その後犬たちとの死闘。仲間の死。仲間の死を目の前にした友の発狂。別れ。などなど次々と事件が起こっていく。

独裁者の苦悩、争いに巻き込まれ血を見た時の普段とは違う心の高ぶり、野生の血、戦地で仲間の死を見た人たちのトラウマによる心の病、麻薬による心の崩壊、など様々なテーマを扱っているのはわかる。

だが、やはり動物が主人公ということもあるのかもしれないが、どうしてもその世界に入り込みきれなかった。自分を客観視する視点、穏やかだが冷酷なリーダーなど、上野瞭らしい世界観はあるのだが、かれの「ちょんまげもの」シリーズに比べると一段落ちる気がする。名作とかなり名高い作品だっただけに、さらにかなりの長編だっただけに、少し残念な感じだった。

ちなみに、『ルドルフとイッパイアッテナ』は若干、この『ひげよ、さらば』にインスパイアされている気がする。

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高い丘の歌 [ディーリアス 声楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



1. With Quiet Easy Movement
★★★★★★★☆☆☆
悲劇的な物語の始まりのような感じで始まる。その後悲劇的に盛り上がって行くが、途中から牧歌的な感じになる。最後は壮大に終わる。歌は入らない。

2. Very Slowly
★★★★★★☆☆☆☆
ゆったりとした天国的な曲。歌は入らない。

3. In Tempo
★★★★★★☆☆☆☆
東洋風のゆったりとしたメロディをフルートが奏で、もやっとしたオケがそれを支える。
後半若干、ヴォカリーズによる合唱が流れる。

4. Very Quietly
★★★★★★☆☆☆☆
ヴォカリーズによるソロの歌手たちの異国的なメロディが歌われ、その後ろでこれまた異国的な伴奏が流れる。その後幻想的な合唱となり、壮大な雰囲気となっていく。
段々と穏やかになり最後は静かに終わる。

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告別の歌 [ディーリアス 声楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



1. 黙って過去をたどっていくことの楽しさよ・・・
★★★★★★☆☆☆☆
朝もやの中から何かが立ち上ってくるかのような幻想的な合唱で始まる。
その後も少し不安げな旋律があるが基本はもやっとした感じ。

2. 何か大きなクチバシの上にいるかのようにたたずんで
★★★★★★☆☆☆☆
高音の弦楽器が幻想的で天国的な伴奏を奏でる中、低音の弦楽器がゆったりとした美しいメロディを奏でる。その後、天使のコーラスのような美しい合唱が入ってくる。

3. 君たちのところへ渡っていこう
★★★★★★☆☆☆☆
高音の弦の響きで始まり、浮遊感のある合唱となる。

4. 喜べ、同舟の仲間よ!
★★★★★★★★☆☆
Joy, Shipmateとひたすら合唱が歌うだけの曲なのだが、崇高なメロディでまるでミサ曲をおもわせる。

5. さあ、岸辺に別れを・・・・・
★★★★★☆☆☆☆☆
前曲の雰囲気を引き継いでいるのだが、メロディが何となくボヤっとしている。静かに消え入るように終わる。

全体的に綺麗なメロディで悪くはない。
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STIFFELIO (スティッフェリオ) [オペラ イタリア ヴェルディ]


Stiffelio [Blu-ray]

Stiffelio [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: C Major
  • 発売日: 2013/04/01
  • メディア: Blu-ray




ストーリー:★★★★★☆☆☆☆☆
アリア  :★★★★★★★★☆☆
音楽全体 :★★★★★★☆☆☆☆

ヴェルディの15作目。

牧師の妻が、牧師不在中に若い男と不倫をし、帰ってきた牧師と不倫をした妻の実の父に責められる話。不倫をした妻が神に祈ったり、不倫をした相手を責めたりするのだが全く共感できない。正直話としてはあまり面白くない。

しかし、登場人物の喜びや悲しみ、怒りややりきれない気持ちなどが、音楽で見事に表されており、とにかくアリアが素晴らしく、重唱になるところも真に迫っており美しい。最後の主人公スティッフェリオが姦淫を犯した罪を教会で許す場面は宗教的で非常に美しい音楽に彩られている。

合唱や全体として流れる音楽はそんなに素晴らしいものではないが、先にも書いたとおりアリアが素晴らしいので、有名な作品ではないが、それなりに楽しめるのではないか。

さすがに、「リゴレット」「椿姫」に近い中期の作品だと思う。


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パイドン [哲学 プラトン]


プラトン全集〈1〉エウテュプロン ソクラテスの弁明 クリトン パイドン

プラトン全集〈1〉エウテュプロン ソクラテスの弁明 クリトン パイドン

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/01/25
  • メディア: 単行本



ソクラテスが刑の執行をされ殺される直前の仲間たちの対話を、後にエケクラテスという人にパイドンが語ったという形を取った作品。

テーマは、魂と肉体の二元論、そこから転じて魂の不死、魂の想起説、エイドス(イデア)論、などプラトン思想の根幹となるようなテーマがコンパクトにまとめられている。

結構どんどん話が進み、何となくうまく言い含められているような部分もなくはないし、じっくり考えてもイマイチよくわからない部分も多いし、後半の神話的な部分は読むのが辛かったりするのだが、全体的には読みやすく面白く興味深い。

p.179
「知を求めるひとというのが、とくに他の人間たちとはきわだって、魂を、できるだけ肉体との交わりから解きはなそうとしていることが、あきらかとなるのではないか」

p.185
「まさしくこのからだのおかげで、世にいうように、まことわれわれには考える機会すら何ひとつ片時も生じないのだ。というのもじじつ、戦争にしても内覧にしてもいろいろの争闘にしても、それらは、ほかならぬ肉体と、それのもつ欲望が生じせしめているのだからねえ!なぜなら戦争はすべて財貨の獲得のためにおこるのだが、その財貨を手に入れよ、と強いるのは肉体であり、われわれはその肉体の気づかいにまったく奴隷のように終始している以上は、どのみちそうせざるを得ないからだ。」

p.188
「魂の、肉体からの開放と分離が、死と名付けられている、のではないのか」

p.190
「死にのぞんで嘆きかなしむ男を、もし君が目にしたならば、そのことは彼がじつは知を求める者ではなかったのであり、むしろ肉体をこそ愛する者であったことの十分な証拠となるのではないか。でまた、そのおなじ男は、まさに金銭を愛する者が名誉を愛する者のいずれか一方であるか、或いはその両方をかねそなえた者でおそらくはあることだろう」

この辺は魂(知)が肉体より優れたものであり、逆に肉体のせいで知を求めることを妨げていると言っている素晴らしい箇所だ。


p.206
「いまわれわれが想起する事柄は、いつかそれ以前の時に、われわれによってすでに学び知られたものであることに、必然的になるでしょう。ところでそのことは、われわれの魂が、この人間というもののうちに生じてくる以前に、すでにどこかに存在していたのでなければ、不可能なことです。したがって、この途をたどっても、魂は不死であることにどうやらなりそうですね」

これが有名な魂の不死説であり、想起説だ。


p.236
「この物体的なものは重たくて、土の性をもち、可視的なものとされねばならない。じっさい、いまのべたような魂は、たしかにこれを帯びるがゆえに、それ自身の軽ろやかさを失い、かの見えざるところ、ハデスをおそれて、ふたたびこの目に見えるところへと引き戻されてしまうのである。ーあの、牌や墓のまわりを転々とすると世間でもいわれており、じじつ、そのあたりでは魂のかげに似たまぼろしが見られるのだが、それはいまのべたような魂が、つまり清浄ならざるままに肉体から離別し、可視的なものをみずからにあずかりもつ魂が、つくりだす幻影なのである。だからこそ、また見られもするというわけだ。」

この説明はお化けを説明する説としてかなり面白いし、説得力がある説な気がする。

p.320
「魂がハデスに赴くときに、伴いうるものは、ただみずからの学びと養いのしるしだけであり、それこそが、かの世への旅の当初から、とりわけ死者たちを益し、あるいは害するものと、言い伝えられているのだ。

魂を出来るだけ良いものにするために、知を追い求めることの大切さを改めて考えさせられた。やはり面白い作品だった。
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夜明け前の歌 [ディーリアス 管弦楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



管弦楽曲

評価
★★★★★☆☆☆☆☆
夜明け前の静かだけれど、何かが起こりそうなワクワクする感じで始まる。
重層的にメロディが流れ、最後は静かに終わる。

悪くはないが普通。
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田園詩曲 [ディーリアス 声楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD




「大戦に倒れた全ての若き芸術家の記憶に」捧げられた曲らしく、レクイエムとは言え、無宗教の作品らしい。

1. Prelude
★★★★★★★☆☆☆
ずしりと重いベース音の上を、朝日が昇っていくようなゆったりとした清々しいメロディが奏でられる。

2. Once I passed through a populous city
★★★★★★☆☆☆☆
バリトンが懐かしい感じのメロディを、ゆったりと歌う。感想でpreludeの美しいメロディが入ってくるところが美しい。

3. Day By Day, Night By Night
★★★★★★☆☆☆☆
ソプラノとバリトンが順番にゆったりとしたメロディを歌う。子守歌のような曲。

4. I am She Who adored Herself
★★★★★☆☆☆☆☆
すこし悲しげな不安な感じのメロディをソプラノとバリトンが順番に歌う。

5. This is thy hour
★★★★★★★☆☆☆
静かに始まるが段々と盛り上がり、ハープも活躍する流麗な音楽となる。

6. Sweet are the blooming cheeks
★★★★★★☆☆☆☆
再び静かな子守歌的な雰囲気となり、消え入るように終わる。

美しいメロディが堪能できる曲。
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レクイエム [ディーリアス 声楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD




「大戦に倒れた全ての若き芸術家の記憶に」捧げられた曲らしく、レクイエムとは言え、無宗教の作品らしい。

1. Our days here are as one day
★★★★☆☆☆☆☆☆
暗くどんよりしたものが立ち込める感じで始まる。バリトンが悲しげなメロディを歌い、合唱がそれに続く。全体的に浮遊感がある。

2. Hallelujah
★★★★★☆☆☆☆☆
ハレルヤの激しい合唱で始まる。ひたすらハレルヤが繰り返された後、音楽は静かになり、バリトンが力強く怒りに満ちたメロディを歌う。だんだん落ち着き悲しみに満ちた旋律となる。最後は穏やかな合唱となり終わる。

3. My beloved whom I cherish was like a flower
★★★★★★☆☆☆☆
牧歌的な雰囲気で始まる。その後オケは牧歌的な感じだが、歌は苦しみに満ちた感じになる。

4. I honour the man who can love life, yet without base fear can die
★★★★☆☆☆☆☆☆
攻撃的なソプラノソロで始まるが、だんだん穏やかになっていく。

5. The snow lingers yet on the mountains
★★★★★☆☆☆☆☆
天国を描いたような穏やかで美しい雰囲気で始まる。途中おどろおどろしくなるが、最後は崇高に終わる。

普通。



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ひげよ、さらば 上 [文学 日本 児童書]


ひげよ、さらば―猫たちのバラード〈上〉 (新潮文庫)

ひげよ、さらば―猫たちのバラード〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: 上野 瞭
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2023/02/03
  • メディア: 文庫



上野瞭の代表作と言われる作品。NHKが人形劇化した作品でもあり、結構よく見られたらしい。

上野瞭の作品は、昨年から結構読んできており、この『ひげよ、さらば』は有名なので最後にとっておいた。彼の江戸時代に舞台を移した「ちょんまげもの」シリーズは、時代設定が変わっていても、描かれている人間の本質的な部分は変わっておらず、結構すぐにその世界に入って行けてハラハラしながらどんどん読めていたのだが、この作品は結構辛かった。

登場するのがぜんぶ猫を中心とした動物で、出てくる動物たちの紹介が結構多くを占めており、はじめは読み進めるのがかなり辛かった。

しかし途中、主人公のヨゴロウザと片目が、バラバラの猫たちを一つの場所に集め、犬に対抗するためにはどうしたらよいかということを話し合い、最終的にヨゴロウザと片目で犬たちの縄張りに偵察に行こうと決まったあたりから、物語が動き出し、ヨゴロウザと犬たちとの争いの場面はかなり手に汗握る感じで面白かった。後半、猫や犬たちの心理描写もかなり面白くなってきており、物語が内面的にも外面的にも充実してきた感じだ。

この作者、「自分を客観的に見る」ということをテーマにしているのか、迷う自分と、それにアドヴァイスをするために語りかける「メタな自分」を多くの作品で登場させており、この作品でもヨゴロウザがその「メタな自分」と自己内対話をするあたりが面白い。

下巻がかなり楽しみな作品である。
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アラベスク [ディーリアス 声楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD



評価
★★★☆☆☆☆☆☆☆
独唱と合唱

アラベスクと聞くと流麗な美しい音楽を想像するが、この曲は全く違い、暗く重い。
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日没の歌 [ディーリアス 声楽曲]


ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

ディーリアス・ボックス(生誕150年記念)

  • アーティスト: VARIOUS
  • 出版社/メーカー: Warner Music
  • 発売日: 2011/11/07
  • メディア: CD




1. "A song of the setting sun!"
★★★★★☆☆☆☆☆
美しい合唱曲。朝焼けのもやっとした感じが良く出ている。

2. "Cease smiling, Dear!" a little while be sad
★★★★★☆☆☆☆☆
メゾ・ソプラノとバリトンのデュエット曲。静かな曲。

3. "Pale amber sunlight falls across"
★★★★★★☆☆☆☆
合唱曲。優しく穏やかな曲。最後のヴァイオリンがとても綺麗。

4. "O Mors!" (Exceeding sorrow consumeth my sad heart!)
★★★★★★☆☆☆☆
メゾ・ソプラノのソロ曲。子守歌のような優しく綺麗な曲。

5. "Exile" (By the sad waters of separation)
★★★★☆☆☆☆☆☆
バリトンのソロ曲。荒涼とした感じで暗い。

6. "In Spring" (See how the trees and osiers lithe)
★★★★★☆☆☆☆☆
合唱曲。前向きで希望が見える曲。

7. "I was not sorrowful, I could not weep"
★★★☆☆☆☆☆☆☆
バリトンのソロ曲。暗い。

8. "Vitae summa" (They are not long, the weeping and the laughter)
★★★★★☆☆☆☆☆
合唱と、メゾとバリトンが順番に歌う。普通。

前半は悪くないが、後半暗い。
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