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詩をどう読むか 第二章 詩とは何か [学術書]


詩をどう読むか

詩をどう読むか

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2011/07/13
  • メディア: 単行本



この章は、詩というものを大きく捉え、定義付けようとしたもの。

1. 詩と散文
2. 詩と倫理
3. 詩とフィクション
4. 詩と実用性
5. 詩的言語

章の最後に見事に「詩」とは何かが要約されている。
p.120
「これまで見てきたように、テクストがページ上で行分けされている(詩と散文の違い)ことは、それをフィクションとして受け取るよう(詩は経験、事実に基づいたものであろうとあくまで皆に解釈を委ねてるという意味でフィクション)にという合図だ。 だが行分けはまた、言葉自体に格別の注意を払うようにー言葉を素通りして意味ばかりを見つめるのではなく、言葉をぶっして打てきな出来事として経験するようにーという支持でもある。とはいえ、たいていの詩で大切なのは、意味よりもむしろ言語の方を経験するといったことではなく、ひっくるめてその両方に反応すること、あるいは両者の内的な結びつきを感じ取ることだ。」
( )内は私が書き加えた。形式にも内容にも気を配ろうと思うが、やはり詩というものは難しいとこの章を読んであらためて思った。


印象に残った数節を・・・。
p.74
「詩とは、ひろく世に公開されて、われわれがどう受け取ってもいいというたぐいの発言だ。だからそもそもの定義上、ただ一つの意味をもつことなど決してありえない書きものなのだ。それどころか、それは読者が妥当なやり方で読み取る限り、どんな意味ももつことができるーただし、「妥当なやり方で」とはどういうことか、そこが大問題なのではあるが。じつは、これは「架空」であろうとなかろうと、ある程度まで、すべての書き物について言えることだ。書き物とはまさに、筆者本人がその場にいなくても十分にその役目を果たす言語なのだ。」

こういう解説を読むと詩を読むことに少し自身がわいてくる。

p.84
「文学の発するメッセージは曖昧(両儀的)だー「これを事実と思え、だが事実と思うな。」ある意味で詩、ことにポスト・ロマン主義の詩は、色あせて抽象過多の日常世界に比べて、より生き生きとした存在感を帯び、より感覚に訴えて具体的であり、より感情的に強烈だという点で、よりリアルだと見えるかもしれない。だが別の意味では、すでに見たように、それらはほかのたいていの形式の書き物に比べて、より経験的でない分、よりリアルさに欠けるのだ。」

とりあえず二章まで読みきれてよかった。恐らく全部は読まないだろうが、なるべく読み進めようと思う。
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Op.062 イギリスの詩人による6つの歌 [ショスタコーヴィチ 歌曲]

第一曲 「息子へ」ローリー詩
★★★☆☆☆☆☆☆☆
暗い前奏の後、かなり低音のメロディが歌われる。ピアノも単音で伴奏をつけかなり不気味。

第二曲 「雪と雨の降る野原で」バーンズ詩
★★★★★☆☆☆☆☆
タターンタ、ターンタという独特の舟歌っぽいリズムの上を美しいメロディがうたわれるのだが、何しろ低音で暗く聞こえる。

第三曲 「マクファーソンの最後」バーンズ詩
★★★★☆☆☆☆☆☆
すこし諧謔的な明るい前奏。処刑される前の気持ちを語った歌らしい。

第四曲 「ジェニー」バーンズ詩
★★★★☆☆☆☆☆☆
跳ねた感じの乾いた曲。愛らしい前奏に始まり、軽やかな歌となるのだが、こちらも低音なので軽やかさがない。ジェニーはずぶ濡れという歌らしい。

第五曲 「ソネット66」シェイクスピア詩
★★★★☆☆☆☆☆☆
重く歩くようなピアノ前奏。「死にたい」と歌った歌らしい。

第六曲 「王様の出陣」
★★★☆☆☆☆☆☆☆
諧謔的な軽やかな前奏。歌も軽い感じ。1分弱の短い曲。

とにかく低音で聴いていて疲れる。もう一歩な曲集。
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Op.058 「リア王」より [ショスタコーヴィチ 歌曲]

第一曲 「コーディリアのバラッド」
★★★★★★★☆☆☆
和音による淡々としたピアノ伴奏に乗って、行進曲風の勇ましいメロディが歌われる。力強く格好良い曲。

第二曲 「道化のバラッド」
★★★★★★☆☆☆☆
まさに道化という感じの全10曲。
①軽い楽しげな曲。
②少しテンポの落ちた①に似たメロディの曲。レチタティーヴォ的な部分も多い。
③さらにテンポが落ちた少し不安げな短い曲。
④少しドラマティックなピアノ伴奏で始まる、Jazzっぽさが出た曲。
⑤暗く重く始まる。間が多い悲しげな曲。
⑥速く激しい曲。
⑦かなり風刺の効いたゆったりとした曲。
⑧この曲集にあっては少しメロディアスなゆったりとした曲。
⑨元気で激しく、人を煽るような曲。
⑩ゆったりと歩くような前奏で始まり、暗く重い歌が始まる。

悪くない。
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Op.046 プーシキンによる4つの歌 [ショスタコーヴィチ 歌曲]

第一曲 「復活」
★★★★☆☆☆☆☆☆
低く重い、大地の底から湧き上がってきたかのような歌。ピアノも音数少なく重い。

第二曲 「嫉妬した娘は」
★★★★☆☆☆☆☆☆
結構有名な詩らしく、多くの作曲家が取り上げているらしい。
コロコロしたピアノ前奏の後、歌が入る。半音階の不安的なメロディ。段々とゆっくりとなっていく。

第三曲 「胸騒ぎ」
★★★★★☆☆☆☆☆
ショスタコーヴィチにしては珍しい、美しいアルペジオのピアノ伴奏で始まる。歌も少しだけメロディアス。

第四曲 「詩の一節」
★★★★☆☆☆☆☆☆
重く悲しげな単旋律のピアノで始まる。段々と音が加わっていく。長めのピアノの前奏の後、苦しげなメロディが歌われる。

重い曲が多い。
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Op.032 「ハムレット」よりオフィーリアの歌 [ショスタコーヴィチ 歌曲]


★★★★★★☆☆☆☆
ハムレットに捨てられたオフィーリアの歌なのだが、とても明るく楽しげなメロディの曲。
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Op.021 日本の詩人による6つの歌 [ショスタコーヴィチ 歌曲]

第一曲 「恋」
★★★★★☆☆☆☆☆
高音の幻想的な前走の後、高音から段々と低音に下がっていく半音階的な不安定なメロディが歌われる。恋と題名がついているが、歌詞も曲も全くロマンティックではない。

第二曲 「辞世」
★★★★☆☆☆☆☆☆
題名が題名だけに、かなり低音のピアノと共に重く苦しそうな歌が流れる。

第三曲 「慎みなき眼差し」
★★★★☆☆☆☆☆☆
囁きかけるような歌。少し不気味。1分弱の短い曲。

第四曲 「最初で最後の機械」
★★★★☆☆☆☆☆☆
重いがメロディアスな前奏。暗く重いメロディが歌われる。恋人が死んでしまった歌?

第五曲 「望みなき愛」
★★★☆☆☆☆☆☆☆
暗い始まり。単音で前奏が奏でられる。歌も暗い。

第六曲 「死」
★★★☆☆☆☆☆☆☆
ピアノが短くなった後、アカペラっぽく歌が流れる。同じような感じが繰り返される。段々とピアノと声が重なるが不安げで暗い。

題名が暗い曲が多いだけに暗い曲集。
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Op.004 二つの寓話 [ショスタコーヴィチ 歌曲]

第一曲 「こおろぎと蟻」
★★★★★☆☆☆☆☆
高音の幻想的なピアノ前走の後、元気なソプラノの歌が始まる。多分これが遊んでいるこおろぎ。低音のゆったりとした声が応じる。多分これが働き蟻。再び明るく軽やかな歌となる。こおろぎが遊んでいる?低音が再び応じ、最後は軽やかに終わる。

第二曲 「ろばと夜ウグイス」
★★★★★☆☆☆☆☆
低音の元気な歌が流れる。結構諧謔的。その後美しい流れるようなメロディが流れる。これがウグイス?

二曲とも二つの対比的な生き物が対比的なメロディによって描写されており面白い。
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ギリシアの歌 [ショスタコーヴィチ 歌曲]

第一曲 「前へ」
★★★★★☆☆☆☆☆
力強いピアノの伴奏の後、バリトンが力強く息の長い旋律を歌う。戦闘へ向かうかのような雰囲気の悲壮感漂う力強い曲。

第二曲 「ペントサリス」
★★★★★★☆☆☆☆
軽やかだがどこか哀愁漂うピアノの前奏で始まり、異国情緒漂うなめらかな旋律が歌われる。悪くない。

第三曲 「ゾロンゴ」
★★★★★★☆☆☆☆
重く暗い前奏。少し民謡風の悲しみに満ちたゆったりとした旋律が歌われる。中間部の少し冷静な感じの部分も綺麗。

第四曲 「エラスの讃歌」
★★★★★★☆☆☆☆
勝利感に満ちた格好良く美しい曲。

悪くない曲集。
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チェロ・ソナタ [ショスタコーヴィチ 室内楽曲]


Shostakovich:Cello Sonata Op40

Shostakovich:Cello Sonata Op40

  • 出版社/メーカー: Calliope France
  • 発売日: 2003/05/13
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★★★☆☆☆
緊張感のあるピアノの前奏で始まり、息の長い憂いのある美しい第一主題がチェロにより奏でられ段々と盛り上がる。第二主題はピアノが悲しみと孤独を吐露しているのをチェロが優しく慰めるかのような親密な雰囲気となる。展開部は今までの情感的な感じが一転して、乾いた荒涼とした雰囲気となる。美しい憂いのある旋律が流れた後、ピアノが低音の上昇していく音階をひたすら奏で、チェロがためらいがちにメロディを奏でる。

第二楽章
★★★★★★★★☆☆
チェロの情熱的な音で始まり、ピアノがすぐに情熱的な和音を奏でる。3分半に凝縮された情感たっぷりの美しい南米を思わせる楽章。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
静かで陰鬱な緩徐楽章。途中少し感情的な盛り上がりを見せ、映画音楽っぽくなっていく。最後は静かに終わる。

第四楽章
★★★★★★★☆☆☆
跳ねた感じのピアノで始まり、諧謔的で民謡風のメロディをチェロが奏でる。その後力強く情熱的な雰囲気となっていく。最後は美しい旋律をピアノが奏でチェロがピッチカートで伴奏をし、情熱的に終わる。

かなりエキゾチックなメロディが散りばめられた、現代のチェロ・ソナタの名曲と言える。
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