額田女王 [文学 日本 Classic]
昔からずっと、百人一首を覚えようと思い続けてきたが、いつも最初の5つくらいで挫折してしまう。今年こそはと思い、今回は百人一首の漫画を買ってみた。
その第一首目
秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露に濡れつつ
この首の漫画を読み、額田王に興味を持ち、私の好きな作家である井上靖に『額田女王』という作品があるのを知り購入し、この度読んでみた。
額田女王が、大海人皇子と中大兄皇子の兄弟二人に見初められ二人から言い寄られるはじめの場面に始まり、大海人皇子に梅見をだしに呼び出され、無理矢理連れ去られ関係を持たされるところを通過し、二人の子どもが生まれるところまでは本当に緊張感があり一気に読んでしまった。
その後は、当時の日本の状況を中心に話は進む。朝鮮出兵、白村江の戦い、敗戦、数々の遷都、天皇の死、人身の乱と、様々な事件が、二人の皇子と額田を中心に語られていく。
正直日本史は不得意で、漫画などを何度読んでもよくわからなかったが、やはりこういう物語のある小説を読んだり、古典文学作品を読んだりするといろいろな人物関係がわかり、頭に入ってくる。
井上靖らしい、美しく格調高い文章で、ストーリーも面白い。500ページを超える大作で、現代の軽い小説ほど読みやすくはないが、かなり楽しめた。
ピアノ・ソナタ第十五番 ハ長調 D840 「レリーク」 [シューベルト ピアノ曲]
Schubert: Piano Works 1822-1828
- 出版社/メーカー: Decca
- 発売日: 2011/01/11
- メディア: CD
第一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
少し暗めの第一主題。不穏な雰囲気を醸し出している独特なリズムの第二主題。次々と様々なメロディが登場するのだが、あまり印象的ではなくまとまりのない感じ。
第二楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
悲しげでさみしげな主題で始まる。少し軽やかな主題が続いて登場する。まとまりのない感じで飽きる。
重要作とされているらしいが、飽きる。
ピアノ・ソナタ第十四番 イ短調 D784 [シューベルト ピアノ曲]
Schubert: Piano Works 1822-1828
- 出版社/メーカー: Decca
- 発売日: 2011/01/11
- メディア: CD
第一楽章
★★★★★★★☆☆☆
何かを訴えかけるような少し悲しげで不安げな第一主題。高貴で広がりのある第二主題。非常にドラマティックで精神性の高い展開部。第一主題と第二主題がドラマティックに美しく回帰され終わる。全てが緊張感に満ちている。
第二楽章
★★★★★★★☆☆☆
慈愛と安らぎに満ちたアンダンテ楽章。中間部高音を活かした緊張感のある部分がガラス細工のような繊細さがあり美しさ。最後はゆったりと終わる。
第三楽章
★★★★★★★☆☆☆
ベートーヴェンの「テンペスト」第三楽章をイメージさせる、三連符の流れるようなメロディで始まる。広大な草原をイメージさせるメロディが続き、最後はフーガ風の精神性の高い感じになり終わる。
全体的に緊迫した感じの美しい曲。