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ファーストラブ [文学 日本 島本理生]


ファーストラヴ (文春文庫 し 54-3)

ファーストラヴ (文春文庫 し 54-3)

  • 作者: 島本 理生
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/02/05
  • メディア: 文庫



島本理生の直木賞受賞作で映画化もされている作品。

父親を殺してしまった女子大生を中心に、彼女のルポルタージュを書く事になった臨床心理士の女性の話。

どちらの女性も重い過去を背負い、結局精神的に追い詰められた状態で、奔放な性行為に走る、というのは島本理生の小説のパターンと言える。やはり読んでいてこういう描写はちょっとつらい。こちらも前回読んだ『ナラタージュ』と同じように、女性が受ける性暴力(肉体的&精神的)がテーマとなっており、ここに司法も絡んでくるので、物語がかなり重層的で深いものになっている。

正直言うと、裁判の結果が私としては納得いかない感じだが、そのあとにやって来るエンディングエピソードは何故か心がほっこりする。

p.21
「孤独と性欲と愛の区別は難しい」
この言葉はどの島本作品にも横たわっているテーマな気がする。

直樹賞受賞作だけあり、確かに面白かった。
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