コンタロウのひみつのでんわ [文学 日本 安房直子 か行]
再読 次男と一緒に読んだ。
子供たちもみんな独立し、奥さんにも先立たれた、布団屋のおじいさんの話。ある日少年がやってきて、布団を注文する。実はその少年はコンタロウというキツネの子供で、そこからコンタロウとおじいさんの交流が始まる。花を使用したひみつのでんわで、おじいさんとコンタロウは連絡を取り合い、暖かい交流を続ける。最後は、場所的に離れていても、心理的につながっていればお互いのことがわかる、という最高の結末となっている。ネット環境を使った遠隔コミュニケーションが主流の今、花と風を使用したコミュニケーションをテーマにしたこの物語。素敵すぎる。
今回読んでみて気づいた点があった。
おじいさんも独り、コンタロウというキツネも、家族が何故か皆死んでいる。恐らく人間に殺されてしまったのだろう。そんな孤独な二人が心を通わせるという話で、名作「きつねの窓」にも通じる世界観がある。
ほんわかしている中に、結構深いテーマが隠されているなあと思った。
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.53 [ドヴォルザーク 協奏曲]
1.Allegro ma non troppo
★★★★★★★☆☆☆
厳かな感じの短い前奏のあと、少し悲しげで伸びやかなヴァイオリン・ソロが奏でられる。その後も哀愁漂う優雅なメロディが流れる。長い展開部の後、盛り上がって第一主題に戻るところが少し感動的。
2.Adagio ma non troppo
★★★★★★★☆☆☆
夢見るような穏やかな旋律。中盤、ファンファーレのようなものがなり、少し堂々とした雰囲気となる。高貴な雰囲気に包まれた後、最後は穏やかに夢見るように終わる。
3.Finale: Allegro giocoso ma non troppo
★★★★★★★☆☆☆
開放感に満ちた、自由に鳥が飛び回るかのようなソロ・ヴァイオリンが美しいはじまる。オケも堂々としていて格好良い。途中哀愁漂う静かな音楽になるが、再び活気を取り戻して、最後は堂々と悠々と終わる。
チェロ協奏曲ほど有名ではないが、美しいメロディと雰囲気に満ちた、名曲。