ダフニスとクロエー [文学 その他]
数年前、「ダフニスとクロエ」というラヴェル作曲のバレエを生で観た。あまり期待していなかったのだが、結構良く心に残っていた。
是非原作も読みたいと思っていたのだが、品切重版未定になっており手にできなかったのだが、昨年復刊され手に入れた。
三島由紀夫が『潮騒』を書く際にもモデルにしたとも言われており、ゲーテの絶賛しているらしい。
高貴な生まれながらも、島に捨てられることになったダフニスとクロエー。初めは山羊と羊の乳で育てられていたがそれを見た山羊飼と羊飼が自分の子供として育て、二人は仲良くなり、段々と仲を深めていき、神様や長老たちの力添えにより性にも目覚めていき、最後は実の親にめでたく出会い二人は結婚するという話。
ストーリーとしてものすごく面白いか、と言われるとそこまでではないが、シェイクスピアの様々な作品の原型になっていることも想像できるし、純朴な少年少女がどのようにして性に目覚めていくのかということが爽やかに描かれているのも悪くない。
短い作品でもあるし、それなりに面白かった。
くまの楽器店 [文学 日本 安房直子 か行]
のはらの真ん中のニレの木の下に、「ふしぎや」というくまが営む楽器店がある。
そこに様々な問題を抱えたお客がやってきて、くまが楽器を選んであげることで、その問題を解決してあげる話。あんびるやすこの「魔法の庭」シリーズの原型的な作品か。
1. ふしぎなトランペット 雨の日で退屈していた男の子 トランペット
2. 月夜のハーモニカ 育てているブドウを甘くしたいぶどう園の主人 ハーモニカ
3. 野原のカスタネット お腹をすかせたねずみの子 カスタネット
4. さむがりうさぎのすてきなたいこ さむがりのうさぎ たいこ
音楽のすばらしさを改めて感じさせてくれる暖かい良書。
交響曲 第九番 ホ短調 新世界より [ドヴォルザーク 交響曲]
第一楽章
★★★★★★★★★☆
不穏な空気を醸し出す、若干悲劇的ながらどこかワクワクするような長めの序奏の後、広大な宇宙をイメージさせる第一主題がホルンによって朗々と奏でられる。第二主題はゆったりとした平和な感じ。展開部も壮大な漢字で格好よい。穏やかな平和な雰囲気が戻ってきた後だんだんと盛り上がり、壮大に終わる。
第二楽章
★★★★★★★★★☆
もやっとした序奏の後、ティンパニーが鳴り響き、「家路」として有名な郷愁を誘う美しいメロディがイングリッシュ・ホルンによって奏でられる。続いて第一主題を少し変化させたような若干悲しみを帯びた旋律が弦によって奏でられ、再び第一主題が少し変化をもって奏でられる。展開部は物悲しい内省的で幻想的な雰囲気となる。草原で鳥たちがささやきあうような感じになった後、第一楽章のメロディが登場する。
最後は第一主題が回帰され終わる。
第三楽章
★★★★★★★★★☆
壮大な宇宙を感じさせる力強い始まり。穏やかな大草原をイメージさせる牧歌的なメロディが続くが、すぐに宇宙的な雰囲気に戻る。少し優雅で牧歌的な中間部の後、宇宙的ー大草原ー宇宙が回帰され最後は華やかにファンファーレが鳴り響き終わる。
第四楽章
★★★★★★★★★☆
汽車が出発するような段々と迫ってくる感じの序奏を経て、英雄的な悲壮な感じの第一主題が奏でられる。第二主題はすこし悲しげだけれども穏やかな雰囲気。第一主題のメロディ、第二楽章のメロディなどを色々と織り交ぜながら曲は進んでいく。平和な展開部を経て、ファンファーレが鳴り響き平和な雰囲気が一度訪れるが、その後盛り上がり華やかに明るく終わる。
美しいメロディに彩られた格好良い曲。世界中で何度も演奏されるのが分かる超名曲。