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ラ・カテドラルでの対話 下 [文学 その他]


ラ・カテドラルでの対話(下) (岩波文庫)

ラ・カテドラルでの対話(下) (岩波文庫)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2018/07/19
  • メディア: 文庫



下巻は、権力者ドン・カヨの愛人、オルテンシアの死の場面から始まる。

上巻は、時が飛んだり、会話にいろんな場面がはいりこだりとかなり読みづらかったのだが、この下巻は、章ごとに時が行ったり来たりはするが、基本場面や登場人物は塊ごとで一定していてかなり読みやすかった。

上巻でイマイチぼんやりしていたことが、段々と解明されていきいろいろな登場人物の内面や人間関係も分かっていきかなり楽しめた。

階級問題、人種差別、政治的問題、同性愛など、いろいろなテーマを一つの物語に組み込み、ストーリーのおもしろさもあるこの作品。文学手法的にも凝ったものだが、ジョイスやウルフほどわかりづらく読みづらくもなく、結局よくわからない的なところもなく、かなり実験性と、古典的な物語のおもしろさのバランスのとれた良い作品だと思う。作者のリョサがお気に入りの一冊というのも分かる力作であり傑作であると思う。

読み進めるのに忍耐力はいるが、かなり面白い作品だった。
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シェルブールの雨傘 [ミュージカル ドヌーヴ&ルグラン]


シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]

シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • 発売日: 2009/07/17
  • メディア: DVD




Story: ★★★★★★★★☆☆
Music:★★★★★★★★☆☆

私は芸術鑑賞に関わる仕事をしている。オペラ、バレエ、演劇、ミュージカル、歌舞伎、落語等、様々な学年が観る演目を毎年決めていかなければならない。長年この仕事をしていて、この「シェルブールの雨傘」が何度か紹介され、その度毎に一度ちゃんと観ておかなくてはと思っていたのだが、何となくフランスものを敬遠していたこともあり、向き合わずにいた作品。

アマゾンで何かを購入したのをきっかけについでに「ドヌーヴxドゥミxルグラン」のボックスセットを購入。

早速観てみた。

いきなり、テレビ・ドラマ「スクール☆ウォーズ」で聴いたことのある曲が流れてくる。
これはこの曲の主題歌的な「I will wait for you」を除いては、目立って素晴らしい曲はないが、フランスオペラと同様、前編を美しい雰囲気の音楽が彩っておりとにかく素晴らしい。

登場人物も皆人間的にいい人ばかりで、いい人ゆえの心の葛藤みたいなものがあり、その葛藤の末選んだ結果もそれぞれが納得できるもので、とにかく素晴らしい。エンディングも若干悲しげなものではあるが、美しい余韻があり素晴らしい。

確かに多くの人が名作とすすめる理由がわかった。

ミュージカル映画の傑作と巷では言われる「ラ・ラ・ランド」は、この作品を下地に作られたのではないかと思ってしまった。

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チェロ交響曲(協奏曲) Op.68 [ブリテン 協奏曲]

1. Allegro maestoso
★★★★★☆☆☆☆☆
いきなり、劇的なオーケストラとともに、独奏チェロが厳しい感じのメロディを奏でる。
その後静かな夜の雰囲気となり、不気味なメロディをチェロが奏でる。後ろでピッチカートの音が不気味になっている。
ティンパニーの音が鳴り響き激しい感じとなるが、再び静かな不気味な雰囲気となる。
東洋風のフルートの音の上で、チェロが凄まじいソロを展開する。
スタッカート気味の短いパッセージの積み重ねが続いた後、静かに終わる。

2. Presto inquieto
★★★★★☆☆☆☆☆
チェロがソロで、短い動物の鳴き声のようなパッセージを奏でて始まる。
オーケストラの各楽器がチェロに呼応するかのように、短いパッセージを奏でる。
段々と息の長い旋律となっているが、メロディは現代的でわかりづらい。

3. Adagio - cadenza ad lib
★★★★★☆☆☆☆☆
ティンパニーの力強い連打で始まる。その後、力強く悲劇的なメロディを独奏チェロが奏でる。
暗く荒涼とした世界が広がり、金属的な音が流れる。非常に現代的。
ティンパニーや管楽器が激しい音を出し、悲劇性が増していく。
最後はチェロの暗く重いカデンツァ。

4. Andante allegro
★★★★★☆☆☆☆☆
チェロが暗いメロディを奏でる上で、管楽器がファンファーレ風の明るいメロディを奏でる。チェロもそれにつられるように段々と明るいメロディを奏でるようになり、全体が光に向かって進んでいくような雰囲気となっていく。
その後躍動感のあるチェロ独奏となり、ムチのような音も鳴り響き、動物がひたすら走っていくような音楽となる。
突然静かになり、夜の音楽のような感じとなる。
最後は壮大で雄大な感じとなり終わる。

全体的に現代的な雰囲気の漂う曲。
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Occasional 序曲 [ブリテン 管弦楽曲]

★★★★★☆☆☆☆☆
ファンファーレ的な感じの音が鳴り、華やかな雰囲気で始まる。
静かな行進曲風の音楽の後、お祭りの様々な見世物が展開されていくような感じとなる。
そのまま華やかに終わる。
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付随音楽『善意の人々』(管弦楽の為のクリスマス・キャロル変奏曲) [ブリテン 管弦楽曲]

★★★★★★★☆☆☆
出だし有名なクリスマス・キャロルから入る。
その後映画音楽のような壮大な雰囲気となる。
中間部は子守唄のような静かな音楽。
再びクリスマス・キャロルの陽気なメロディが流れた後、少し厳しい行進曲風の音楽になる。
最後はクリスマス・キャロルの劇的なメロディがなり終わる。
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