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詩をどう読むか 第二章 詩とは何か [学術書]


詩をどう読むか

詩をどう読むか

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2011/07/13
  • メディア: 単行本



この章は、詩というものを大きく捉え、定義付けようとしたもの。

1. 詩と散文
2. 詩と倫理
3. 詩とフィクション
4. 詩と実用性
5. 詩的言語

章の最後に見事に「詩」とは何かが要約されている。
p.120
「これまで見てきたように、テクストがページ上で行分けされている(詩と散文の違い)ことは、それをフィクションとして受け取るよう(詩は経験、事実に基づいたものであろうとあくまで皆に解釈を委ねてるという意味でフィクション)にという合図だ。 だが行分けはまた、言葉自体に格別の注意を払うようにー言葉を素通りして意味ばかりを見つめるのではなく、言葉をぶっして打てきな出来事として経験するようにーという支持でもある。とはいえ、たいていの詩で大切なのは、意味よりもむしろ言語の方を経験するといったことではなく、ひっくるめてその両方に反応すること、あるいは両者の内的な結びつきを感じ取ることだ。」
( )内は私が書き加えた。形式にも内容にも気を配ろうと思うが、やはり詩というものは難しいとこの章を読んであらためて思った。


印象に残った数節を・・・。
p.74
「詩とは、ひろく世に公開されて、われわれがどう受け取ってもいいというたぐいの発言だ。だからそもそもの定義上、ただ一つの意味をもつことなど決してありえない書きものなのだ。それどころか、それは読者が妥当なやり方で読み取る限り、どんな意味ももつことができるーただし、「妥当なやり方で」とはどういうことか、そこが大問題なのではあるが。じつは、これは「架空」であろうとなかろうと、ある程度まで、すべての書き物について言えることだ。書き物とはまさに、筆者本人がその場にいなくても十分にその役目を果たす言語なのだ。」

こういう解説を読むと詩を読むことに少し自身がわいてくる。

p.84
「文学の発するメッセージは曖昧(両儀的)だー「これを事実と思え、だが事実と思うな。」ある意味で詩、ことにポスト・ロマン主義の詩は、色あせて抽象過多の日常世界に比べて、より生き生きとした存在感を帯び、より感覚に訴えて具体的であり、より感情的に強烈だという点で、よりリアルだと見えるかもしれない。だが別の意味では、すでに見たように、それらはほかのたいていの形式の書き物に比べて、より経験的でない分、よりリアルさに欠けるのだ。」

とりあえず二章まで読みきれてよかった。恐らく全部は読まないだろうが、なるべく読み進めようと思う。
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Op.062 イギリスの詩人による6つの歌 [ショスタコーヴィチ 歌曲]

第一曲 「息子へ」ローリー詩
★★★☆☆☆☆☆☆☆
暗い前奏の後、かなり低音のメロディが歌われる。ピアノも単音で伴奏をつけかなり不気味。

第二曲 「雪と雨の降る野原で」バーンズ詩
★★★★★☆☆☆☆☆
タターンタ、ターンタという独特の舟歌っぽいリズムの上を美しいメロディがうたわれるのだが、何しろ低音で暗く聞こえる。

第三曲 「マクファーソンの最後」バーンズ詩
★★★★☆☆☆☆☆☆
すこし諧謔的な明るい前奏。処刑される前の気持ちを語った歌らしい。

第四曲 「ジェニー」バーンズ詩
★★★★☆☆☆☆☆☆
跳ねた感じの乾いた曲。愛らしい前奏に始まり、軽やかな歌となるのだが、こちらも低音なので軽やかさがない。ジェニーはずぶ濡れという歌らしい。

第五曲 「ソネット66」シェイクスピア詩
★★★★☆☆☆☆☆☆
重く歩くようなピアノ前奏。「死にたい」と歌った歌らしい。

第六曲 「王様の出陣」
★★★☆☆☆☆☆☆☆
諧謔的な軽やかな前奏。歌も軽い感じ。1分弱の短い曲。

とにかく低音で聴いていて疲れる。もう一歩な曲集。
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Op.058 「リア王」より [ショスタコーヴィチ 歌曲]

第一曲 「コーディリアのバラッド」
★★★★★★★☆☆☆
和音による淡々としたピアノ伴奏に乗って、行進曲風の勇ましいメロディが歌われる。力強く格好良い曲。

第二曲 「道化のバラッド」
★★★★★★☆☆☆☆
まさに道化という感じの全10曲。
①軽い楽しげな曲。
②少しテンポの落ちた①に似たメロディの曲。レチタティーヴォ的な部分も多い。
③さらにテンポが落ちた少し不安げな短い曲。
④少しドラマティックなピアノ伴奏で始まる、Jazzっぽさが出た曲。
⑤暗く重く始まる。間が多い悲しげな曲。
⑥速く激しい曲。
⑦かなり風刺の効いたゆったりとした曲。
⑧この曲集にあっては少しメロディアスなゆったりとした曲。
⑨元気で激しく、人を煽るような曲。
⑩ゆったりと歩くような前奏で始まり、暗く重い歌が始まる。

悪くない。
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Op.046 プーシキンによる4つの歌 [ショスタコーヴィチ 歌曲]

第一曲 「復活」
★★★★☆☆☆☆☆☆
低く重い、大地の底から湧き上がってきたかのような歌。ピアノも音数少なく重い。

第二曲 「嫉妬した娘は」
★★★★☆☆☆☆☆☆
結構有名な詩らしく、多くの作曲家が取り上げているらしい。
コロコロしたピアノ前奏の後、歌が入る。半音階の不安的なメロディ。段々とゆっくりとなっていく。

第三曲 「胸騒ぎ」
★★★★★☆☆☆☆☆
ショスタコーヴィチにしては珍しい、美しいアルペジオのピアノ伴奏で始まる。歌も少しだけメロディアス。

第四曲 「詩の一節」
★★★★☆☆☆☆☆☆
重く悲しげな単旋律のピアノで始まる。段々と音が加わっていく。長めのピアノの前奏の後、苦しげなメロディが歌われる。

重い曲が多い。
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Op.032 「ハムレット」よりオフィーリアの歌 [ショスタコーヴィチ 歌曲]


★★★★★★☆☆☆☆
ハムレットに捨てられたオフィーリアの歌なのだが、とても明るく楽しげなメロディの曲。
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Op.021 日本の詩人による6つの歌 [ショスタコーヴィチ 歌曲]

第一曲 「恋」
★★★★★☆☆☆☆☆
高音の幻想的な前走の後、高音から段々と低音に下がっていく半音階的な不安定なメロディが歌われる。恋と題名がついているが、歌詞も曲も全くロマンティックではない。

第二曲 「辞世」
★★★★☆☆☆☆☆☆
題名が題名だけに、かなり低音のピアノと共に重く苦しそうな歌が流れる。

第三曲 「慎みなき眼差し」
★★★★☆☆☆☆☆☆
囁きかけるような歌。少し不気味。1分弱の短い曲。

第四曲 「最初で最後の機械」
★★★★☆☆☆☆☆☆
重いがメロディアスな前奏。暗く重いメロディが歌われる。恋人が死んでしまった歌?

第五曲 「望みなき愛」
★★★☆☆☆☆☆☆☆
暗い始まり。単音で前奏が奏でられる。歌も暗い。

第六曲 「死」
★★★☆☆☆☆☆☆☆
ピアノが短くなった後、アカペラっぽく歌が流れる。同じような感じが繰り返される。段々とピアノと声が重なるが不安げで暗い。

題名が暗い曲が多いだけに暗い曲集。
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Op.004 二つの寓話 [ショスタコーヴィチ 歌曲]

第一曲 「こおろぎと蟻」
★★★★★☆☆☆☆☆
高音の幻想的なピアノ前走の後、元気なソプラノの歌が始まる。多分これが遊んでいるこおろぎ。低音のゆったりとした声が応じる。多分これが働き蟻。再び明るく軽やかな歌となる。こおろぎが遊んでいる?低音が再び応じ、最後は軽やかに終わる。

第二曲 「ろばと夜ウグイス」
★★★★★☆☆☆☆☆
低音の元気な歌が流れる。結構諧謔的。その後美しい流れるようなメロディが流れる。これがウグイス?

二曲とも二つの対比的な生き物が対比的なメロディによって描写されており面白い。
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ギリシアの歌 [ショスタコーヴィチ 歌曲]

第一曲 「前へ」
★★★★★☆☆☆☆☆
力強いピアノの伴奏の後、バリトンが力強く息の長い旋律を歌う。戦闘へ向かうかのような雰囲気の悲壮感漂う力強い曲。

第二曲 「ペントサリス」
★★★★★★☆☆☆☆
軽やかだがどこか哀愁漂うピアノの前奏で始まり、異国情緒漂うなめらかな旋律が歌われる。悪くない。

第三曲 「ゾロンゴ」
★★★★★★☆☆☆☆
重く暗い前奏。少し民謡風の悲しみに満ちたゆったりとした旋律が歌われる。中間部の少し冷静な感じの部分も綺麗。

第四曲 「エラスの讃歌」
★★★★★★☆☆☆☆
勝利感に満ちた格好良く美しい曲。

悪くない曲集。
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チェロ・ソナタ [ショスタコーヴィチ 室内楽曲]


Shostakovich:Cello Sonata Op40

Shostakovich:Cello Sonata Op40

  • 出版社/メーカー: Calliope France
  • 発売日: 2003/05/13
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★★★☆☆☆
緊張感のあるピアノの前奏で始まり、息の長い憂いのある美しい第一主題がチェロにより奏でられ段々と盛り上がる。第二主題はピアノが悲しみと孤独を吐露しているのをチェロが優しく慰めるかのような親密な雰囲気となる。展開部は今までの情感的な感じが一転して、乾いた荒涼とした雰囲気となる。美しい憂いのある旋律が流れた後、ピアノが低音の上昇していく音階をひたすら奏で、チェロがためらいがちにメロディを奏でる。

第二楽章
★★★★★★★★☆☆
チェロの情熱的な音で始まり、ピアノがすぐに情熱的な和音を奏でる。3分半に凝縮された情感たっぷりの美しい南米を思わせる楽章。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
静かで陰鬱な緩徐楽章。途中少し感情的な盛り上がりを見せ、映画音楽っぽくなっていく。最後は静かに終わる。

第四楽章
★★★★★★★☆☆☆
跳ねた感じのピアノで始まり、諧謔的で民謡風のメロディをチェロが奏でる。その後力強く情熱的な雰囲気となっていく。最後は美しい旋律をピアノが奏でチェロがピッチカートで伴奏をし、情熱的に終わる。

かなりエキゾチックなメロディが散りばめられた、現代のチェロ・ソナタの名曲と言える。
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なぜ男女の賃金に格差があるのか [学術書]


なぜ男女の賃金に格差があるのか

なぜ男女の賃金に格差があるのか

  • 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
  • 発売日: 2023/05/01
  • メディア: Kindle版



慶應から定期的に送られてくる雑誌に紹介されていて興味を持った本。
図書館で借りようとしたらかなりの予約待ちで3~4ヶ月してようやく届いた本。
こんな難しそうな本を何故市立図書館でこんなにみんな読むのだろうと思っていたら、2023年の10月に彼女はノーベル経済学賞を受賞していたらしく、そのせいだったんだ、と納得。

届いてみたら300ページ以上ある本で、返却期限の2週間で読み終えられるか、と思ったのだが、とりあえず通勤の行きに、洋書の代わりに読んでいたら1週間で読み終えられた。

ここ120年くらいのアメリカの女性たちの、仕事と家庭について論じた本で、この120年間を5つのグループに分けている。ちなみに、ここで出てくる「家庭」の定義は、「配偶者がいる」ではなく(基本的には)「子供がいる」というもの(だが「配偶者がいる」の場合もある)、キャリアの定義は「長く働けて、人気の高い職種、自分のアイデンティティを形作ることが多い」というものだ。仕事は「収入を生み出すだけのためにやるもの」。基本的には大卒の高学歴の女性たちを研究対象としている。

①生まれ1878年~  大学卒業(およそ)1900年~
②生まれ1898年~  大学卒業(およそ)1919年~
③生まれ1923年~  大学卒業(およそ)1945年~
④生まれ1943年~  大学卒業(およそ)1965年~
⑤生まれ1957年~  大学卒業(およそ)1979年~

①は「家庭 or キャリア」
②は「家庭 after 仕事」
③は「仕事 after 家庭」
④は「家庭 after キャリア」
⑤は「家庭 and キャリア」

初期は、封建的考え方もあり、「家庭を選ぶ」か「自分の好きな道を選ぶ」かの二者択一。
次の時期は、仕事を行いお金を設けた上で家庭に入るというもの。仕事をしたあとに結婚なので子供がいない人も多かった。
次の時期は、前の時期の反省を生かし、先に子供を作ってそれから仕事というもの。しかし大学での自分の研究分野と全く違う「仕事」についたものが多い。
次の時期は、前の時期の反省を生かし、避妊法の進歩なども手伝って、キャリアを積んでから子供を、と願ったが、この頃はまだ科学が進歩しておらず、35歳以上になると子供が出来づらく、いろいろな問題も置きやすいということが分かっていなかった。
最後の時期は、科学も進歩して、「家庭もキャリアも」を目指す人が増えた、ということ。

こうした大きな流れを説明した上で、題名の「なぜ男女の賃金に格差があるのか」の答えとしては、女性は出産・育児の際にキャリアを一度断念せざるを得ず、しかも子供が大きくなるまでは、働ける時間に制約があり、それが賃金の差となる、ということだった。

そして今後は、コロナによって生まれたリモートなどの新しい働き方が、この差を埋める一因となりうるのか、という問題提起で終わる。

正直私はキャリア志向もなく、お金をたくさん儲けたいなどという考えもないので、なるべく時間的に短い時間で仕事をしてきたし、そもそも一緒に生活するうえでどちらが働いていようが、家のことはお互いやるべきだと思っているので、妻が非常勤の時も、専業主婦の時も、専任になってからも、おそらく家事の50%~80%は私がやってきたし、育児も40%~70%はやってきた(ている)と思う。だから、ここに出てくる人々は、周りの人の状況を聞いていると正直何故男は家でダラダラしているのか、全く理解できない。

とはいえ、二人の子供を育ててきたから言えるが、やはり生後1~2年は、女性の方が子供にできることは多く、この長男が生まれた後二年間に関しては、妻が完全に働いていなかったこともあり、育児の割合は妻の方が多かった。上記の40%というのはこの2年間。それでも、他の家事(おむつ洗いなども含め)は私がやることが多かったきがする。そう言う意味で、この2年間も、育児と他の家事のバランスを男女でうまく取れれば、かなりうまく回るのではないか。

結局、この本にも少し触れているのかもしれないが、世の中全体として、資本主義的な考え方、お金をたくさん稼ぐことが良いことなのだ、という価値観から解放されない限り、「男女の賃金の格差」というものは埋まらないのでは、とこの本を読んで&自分の経験から思った。
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ヴァイオリン・ソナタ [ショスタコーヴィチ 室内楽曲]


Shostakovich: Violin Sonata, Viola Sonata

Shostakovich: Violin Sonata, Viola Sonata

  • 出版社/メーカー: Elektra / Wea
  • 発売日: 1992/10/06
  • メディア: CD



第一楽章
★★★☆☆☆☆☆☆☆
ピアノのなぞなぞのような前奏の後、半音階的な不気味な重音による第一主題が流れる。陰鬱な第二主題の後、こ気味良い諧謔的な展開部となる。とにかく不気味で暗い。最後は行進曲風になり元気に終わる。

第二楽章
★★★☆☆☆☆☆☆☆
激しく元気に始まる。ヴァイオリンの弦を弾く音も聞こえ、嵐があれ回っているかのような楽章。ロンド形式らしいが全くわからない。後半ピアノも荒れまわり機械的な音を出し始める。最後は激しく勇ましく終わる。

第三楽章
★★★☆☆☆☆☆☆☆
ピアノの低音で始まり、悲劇的な前奏が奏でられる。
ピッチカートで、ためらいがちな主題がピアノのポツポツとした音と共に奏でられる。
この後、長大な変奏曲となる。色々と趣向を凝らしているのだろうが主題がつまらないのでつまらない。ピッチカートの音を合図に激しく東洋風なメロディとなり、元気の終わるかと思いきや静かに終わる。
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ヴィオラ・ソナタ [ショスタコーヴィチ 室内楽曲]


Shostakovich: Violin Sonata, Viola Sonata

Shostakovich: Violin Sonata, Viola Sonata

  • 出版社/メーカー: Elektra / Wea
  • 発売日: 1992/10/06
  • メディア: CD



第一楽章
★★★☆☆☆☆☆☆☆
ピッチカートの現代的メロディで始まる。ピアノが静かに暗く入ってくる。陰鬱な第一主題。第二主題はすこし諧謔的なキンキンした感じ。静かで不気味な展開部。最後は暗く重い主題が回帰され終わる。

第二楽章
★★★☆☆☆☆☆☆☆
こ気味良い和音の連続による伴奏に乗って軽やかなメロディが流れる。中間部は暗く陰鬱。最後は軽やかに終わる。

第三楽章
★★★☆☆☆☆☆☆☆
暗く重く始まる。ショスタコーヴィチの全15曲交響曲全てからメロディが引用されているらしい。
ピアノが少し流れのある伴奏を始めると、暗く悲しげなメロディが流れる。少しベートーヴェンの月光の第一楽章のメロディに似た音型が登場する。
突然美しいメロディが登場し、息の長い旋律を奏でる。
最後は暗く終わる。

何度も聴きたい曲ではない。
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詩をどう読むか 第一章 批評の役目 [学術書]


詩をどう読むか

詩をどう読むか

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2011/07/13
  • メディア: 単行本



昔から「詩」というものが好きだった。子供の頃「朗読教室」のようなところに行っていたことがあり、そこで工藤直子さんの『のはらうた』の中から結構多くの詩を朗読していたし、学校で習う詩も結構好きで、小さい頃は自分で書いてみたりもしていた。

しかし成長するにつれ散文、普通の小説を読むようになり、「詩」というものをどんどん読まなくなっていった。しかしずっと憧れがあり、英詩も、イギリス文学や映画で引用されたり使われたりすると、是非読んでみたいと思い、名詩選のような本を買ったりするのだがやはりほとんど読まず終わってしまう。

10年前くらいに、イーグルトンの書いたこの『詩をどう読むか』を偶然近くの図書館の新刊コーナーで発見し、借りてみた。

全く歯が立たなかった。全く内容が入って来ず、すぐに諦めてしまった。

それからずっと英詩を読みたいと思いつつもここまで来て、ことし偶然この本を思い出しもう一度読んでみようと思った。

イーグルトンの本は何冊か読んでいたし、原書でも一冊読んでいたので読めるかと思っていたがやはり甘かった。かなり難しい。しかも長い。

とりあえず第一章だけ読みたので、心に残ったフレーズを何個か書いておきたい。

p.21
「偉大な文献学者フリードリヒ・ニーチェはものをきちんと読み取る能力の価値を説いてやまなかった。彼は「遅読」の教師を名乗り、これはスピードにとりつかれた時代の本性に刃向かうことだと考えていた。ニーチェにとって、精読は近代性に対する批判なのだ。言葉そのものの感触や形に注意を払うことは、言葉をただの道具として扱うのを拒むこと、ひいては、言語が商業と官僚主義のせいで、薄っぺらな紙のように磨り減った時代を拒むことだ。」

p.37
「「経験」そのものが世界から消滅しかかっているという警告は、ハイデッガーからベンヤミン、さらにはその後の世代に至るまで、たえず発せられてきた。仰天すべきことに、この惑星で危機に瀕しているのは、環境や、病気と政治的弾圧の犠牲者や、企業のパワーに抵抗する命知らずの人々だけではない。経験そのものが、存亡の機に直面しているのだそうだ。こうした絶滅の脅威は比較的最近のもので、チョーサーやサミュエル・ジョンソンには、ほぼ無縁だっただろう。この理論にしたがえば(すぐあとで見るように、これはまったく一面的な見方だが)、近代は人間から多くのものー神話、魔法、血縁関係、伝統、連帯などーを奪い去ったばかりか、今ではついに、人間から人間そのものを剥ぎ取るに至ったという」

pp.38~39
「経験はもう目の前に置いてあるーピザのように出来合いの経験、大岩のようにごろりと「客観的」な経験が。われわれは、それをただありがたく頂戴すればいいのだ。いわば、経験がふわりと空中に浮かんでいて、人間主体がやってきてそれを受け取るという格好だ。ナイアガラの滝やダブリン城、万里の長城が、自分で我々の経験を代行してくれる。どれも解説とセットになっているので、面倒や手数が大いにはぶけるというものだ。大切なのは、その場所ではなく、それを消費すること自体である。」

pp.39~40
「パックツアーに組み込まれたこれらの場所すべてに共通するのは、ただそれらが「体験」されるという事実だけなのだから、それらは商品と同様、たがいに平気で取り替えがきくことになる。かつて経験は、その豊かな独自性、一回性のすべてを挙げて商品形態に抵抗する方法だったのに、今では、たんなる新手の商品形態に成り下がってしまった。」

p.47
「詩の目的の一部は、そうした失われたものの回復に努めることにある。何でも瞬時に読み取れてしまう世界にあって、われわれは言葉自体の経験をなくしてしまっていた。そして、言葉の感覚をなくすということは、言葉よりずっと多くのものとの接点を失うことだ。われわれは言葉をおおむね実用的な目的で使っているために、言葉の新鮮味が失われ、その力が殺がれてしまった。~中略~詩は、言葉をただ消費するだけではなく、それと格闘することを求めるのであって、このことはとくに近代詩にあてはまる。近代詩の悪名高い難解さは、詩がするりと喉を通りやすいことに対する詩の側からの抵抗と、大いに関係がある。」

「英語は、ただのコミュニケーションの道具だから」「文法なんか気にせず、だいたい分かれば良い」「自分の必要とする情報だけを取り出せれば良い」などという言葉をよく英語教育で耳にするし、最近の「大学入試共通テスト」はまさにこの哲学のもと作られている。わかい英語教員も見事にこの思想を肉体化させている。

どこかの学校の校長が、修学旅行前の朝礼で「修学旅行に行って素晴らしい感動体験をしてきてください」と言っていた。非常に違和感があった。感動とは、個人がするものであり、「どこかに行く」という行為は、用意されているものを「感動」するためにするものではない。イーグルトンのこの部分を読み、その校長の話が蘇ってきてしまった。

これらを読んだだけでもイーグルトンは素晴らしいなあ、と思う。

今回は最後まで読みきれるのだろうか・・・。

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カプリッチョ [オペラ ドイツ R・シュトラウス]


R.シュトラウス:歌劇≪カプリッチョ≫全曲 [DVD]

R.シュトラウス:歌劇≪カプリッチョ≫全曲 [DVD]

  • 出版社/メーカー: クリエイティヴ・コア
  • 発売日: 2008/06/18
  • メディア: DVD




ストーリー:★★★★★☆☆☆☆☆
アリア  :★★★★★☆☆☆☆☆
音楽全体 :★★★★☆☆☆☆☆☆

音楽と詩、どちらが上か、ということを、ひとりの女性をめぐって作曲家と詩人が議論を戦わせる話。全1幕だが、2時間半近くある。

前奏曲がとにかく優美で美しい。音楽を礼賛する作曲家の歌の場面は流麗で美しいメロディが流れるが、詩人や詩の方が音楽より上と主張するヒロインの兄が歌う場面では、現代的でやや平坦なメロディが流れる。

正直物語としてあまり面白くなく、全体の音楽もモノローグ的でもう一歩か。場面場面で美しいメロディは流れるが、やはり全体としてもう一歩。

このDVDで主役を演じるルネ・フレミングは高貴さがあって美しくて良い。
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室内交響曲 Op.118a [ショスタコーヴィチ 室内交響曲]


Chamber Symphonies

Chamber Symphonies

  • 出版社/メーカー: Dg Imports
  • 発売日: 2008/09/23
  • メディア: CD




第一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
乾いた感じの旋律をヴァイオリンが単音で奏でて始まる。チェロも入ってきて少し暖かい空気に包まれるが、すぐに冷たく突き放したような雰囲気となる。第二主題は重く暗い。少し牧歌的な展開部を経て、最後は堂々と若干明るく終わる。

第二楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
諧謔的なこ気味の良い楽章。最後は力強く終わる。

第三楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
憂いに満ちた美しい旋律で始まる。中間部は、若干暗く重い。後半再び甘美な旋律がヴァイオリンによって奏でられる。若干長い。

第四楽章
★★★★☆☆☆☆☆☆
明るく牧歌的に始まる。段々と暗くなる。陰鬱な部分が中間長く続く。最後は淡々と消え入るように終わる。

普通。
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室内交響曲 Op.110a [ショスタコーヴィチ 室内交響曲]


Chamber Symphonies

Chamber Symphonies

  • 出版社/メーカー: Dg Imports
  • 発売日: 2008/09/23
  • メディア: CD




第一楽章
★★★★★★☆☆☆☆
低くうなるような第一主題。少し陰鬱な第二主題。息の長い少し綺麗なメロディの展開部を経て、主題が回帰してアタッカで第二楽章へ入る。

第二楽章
★★★★★★☆☆☆☆
力強い出だし。そのまま突進していくかのように進んでいく。ショスタコーヴィチらしい楽章。

第三楽章
★★★★★★★☆☆☆
悲劇的な始まり。ピッチカートの跳ねるような伴奏に乗って、死の舞踏のようなメロディとなる。その後少し不気味だがなめらかなメロディが流れる。最後は静かに終わる。

第四楽章
★★★★★★★☆☆☆
力強く戦闘的に始まる。中間部は霊感に満ちた非常に美しいメロディ。はじめのメロディが流れアタッカで次の楽章へ。

第五楽章
★★★★★★★☆☆☆
鎮魂歌のような暗く美しいメロディ。

人の曲の編曲なのだろうが、ショスタコーヴィチらしさが出た名曲。
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室内交響曲 Op.83a [ショスタコーヴィチ 室内交響曲]


Chamber Symphonies

Chamber Symphonies

  • 出版社/メーカー: Dg Imports
  • 発売日: 2008/09/23
  • メディア: CD




第一楽章
★★★★★★☆☆☆☆
牧歌的な爽快感のある第一主題。物悲しげな第二主題。

第二楽章
★★★★★★☆☆☆☆
悲しく切ないメロディが続く。段々と壮大な雰囲気となっていく。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
快活で楽しげなまさにスケルツォ楽章といった感じの楽章。途中ファンファーレもなり行進曲風になる。

第四楽章
★★★★★★☆☆☆☆
静かに不気味な雰囲気で始まる。これから戦闘に向かうような勇ましい音楽となる。
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室内交響曲 Op.73a [ショスタコーヴィチ 室内交響曲]


Chamber Symphonies

Chamber Symphonies

  • 出版社/メーカー: Dg Imports
  • 発売日: 2008/09/23
  • メディア: CD



バルシャイという人の弦楽四重奏の編曲らしい。

第一楽章
★★★★★★☆☆☆☆
少し暗めだが若干ウィットのある第一主題、管楽器による少し問いかけるような半音階的な第二主題。

第二楽章
★★★★★★☆☆☆☆
威勢良く入る。少し引いた感じの不気味な中間部。最後は静かに終わる。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
戦いに赴くかのような好戦的な曲。かなり激しい楽章。

第四楽章
★★★★★★☆☆☆☆
悲劇的なファンファーレのあと葬送行進曲のようになる。

第五楽章
★★★★★★☆☆☆☆
暗くうねるように始まる。第二主題は明るい行進曲風。段々と悲劇的に盛り上がっていく。
再びうねるような第一主題が回帰される。
最後は消え入るようにハープも入って静かに終わる。
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本日は大安なり [文学 日本 辻村深月]


本日は大安なり (角川文庫)

本日は大安なり (角川文庫)

  • 作者: 辻村 深月
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2014/01/27
  • メディア: Kindle版



雑誌か何かで4回で連載されたものを、時系列的に並べなおして単行本かしたものらしい。
高級ホテルの結婚式場の話で、主人公らしきものはおらず、それぞれがそれぞれの立場からその日を語っていくというもの。

はじめは誰が誰なのかわからず結構読み進めるのが難しかったが、だんだんと話が見えてきて様々な出来事が重層的に語られていくので結構面白い。

結構ひどい人間がたくさん出てくるのだが、最後はハッピーエンドという感じになるので読後感はかなり良い。

特に結婚という人生の一大イヴェントを描いている作品だけあり、涙が流れそうになる部分も多々あった。

大傑作か、というとそこまでではないとは思うが、確かに面白い作品だった。
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室内交響曲 Op.49a [ショスタコーヴィチ 室内交響曲]


Chamber Symphonies

Chamber Symphonies

  • 出版社/メーカー: Dg Imports
  • 発売日: 2008/09/23
  • メディア: CD



バルシャイという人の弦楽四重奏の編曲らしい。

第一楽章
★★★★★★☆☆☆☆
非常に優美な第一主題。少しシリアスな第二主題。最後は牧歌的に鳥の音も聞こえて終わる。

第二楽章
★★★★★★☆☆☆☆
少し暗めの美しいメロディで始まる。中間部はおもちゃ箱のような楽しく可愛らしい雰囲気。最後は暗く美しいメロディで終わる。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
少し快活な雰囲気の2分程度の楽章。

第四楽章
★★★★★★☆☆☆☆
華やかな第一主題、伸びやかな第二主題。明るく前向きな終楽章。
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弦楽四重奏曲 第十五番 変ホ短調 Op.144 [ショスタコーヴィチ 室内楽 弦楽四重奏曲]


Shostakovich: Complete String Quartets

Shostakovich: Complete String Quartets

  • 出版社/メーカー: Melodiya
  • 発売日: 1997/08/12
  • メディア: CD




第1楽章:エレジー(Adagio)
★★★★☆☆☆☆☆☆
民謡風の静かな旋律を、ヴィオラ?が悲しげに長く奏でる。段々と楽器が増えていくが盛り上がる感じはない。
第二主題は重く苦しげ。時に明るくやさしい旋律が混じる。
展開部はとにかく重い。

第2楽章:セレナード(Adagio)
★★★☆☆☆☆☆☆☆
すこし活気が出てくるが暗く不気味セレナードという感じでは全くない。後半少し盛り上がる。

第3楽章:間奏曲(Adagio)
★★★☆☆☆☆☆☆☆
激しい楽章。

第4楽章:ノクターン(Adagio)
★★★★★☆☆☆☆☆
静かだが、かなり不気味。夜に聴きたい音楽ではない。

第5楽章:葬送行進曲(Adagio molto)
★★★★★☆☆☆☆☆
悲しげなメロディが各楽器によって順番に奏でられる。悪くない楽章。

第6楽章:エピローグ(Adagio - Adagio molto)
★★★★☆☆☆☆☆☆
少し元気に華やかに始まる。ゆったりとした悲劇的なメロディと激しいメロディが順々に流れる。最後は静かに終わる。

単音の多い、モノローグ的な曲。
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弦楽四重奏曲 第十四番 嬰ヘ長調 Op.142 [ショスタコーヴィチ 室内楽 弦楽四重奏曲]


Shostakovich: Complete String Quartets

Shostakovich: Complete String Quartets

  • 出版社/メーカー: Melodiya
  • 発売日: 1997/08/12
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
元気で牧歌的な第一主題。少し諧謔的な第二主題。展開部は若干暗いが元気。

第二楽章
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
暗く陰鬱で退屈な旋律が5分以上続く。その後ピッチカートで少し変化があるが退屈であることは変わらない。

第三楽章
★★★★☆☆☆☆☆☆
少し明るめの元気な始まり。中間部は陰鬱。後半は少し高貴な感じになる。最後はピッチカートの伴奏で息の長い旋律がチェロによって奏でられ、静かに終わる。

結構退屈な曲。
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弦楽四重奏曲 第十三番 変ロ短調 Op.138 [ショスタコーヴィチ 室内楽 弦楽四重奏曲]


Shostakovich: Complete String Quartets

Shostakovich: Complete String Quartets

  • 出版社/メーカー: Melodiya
  • 発売日: 1997/08/12
  • メディア: CD



単一楽章
★★★☆☆☆☆☆☆☆
暗く重い結構長いチェロの音色で始まる。結他楽器も静かに入ってきて不気味なハーモニーを奏でる。第二主題はヴァイオリン。こちらも暗く重い。不協和音が続く。
混沌とした展開部、いろんな技法を駆使して演奏が繰り広げられる。
後半、チェロの息の長い静かな伴奏に乗って奏でられるメロディは少し綺麗。

12番に似た暗く重く退屈な曲。
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53 [Jazz Jacky Terrasson]


53

53

  • アーティスト: Terrasson, Jacky
  • 出版社/メーカー: Decca
  • 発売日: 2019/09/27
  • メディア: CD



自らが53歳になったということでついたタイトルらしい。

1. The Call
ベースのうねるようなダ~タタ~タッタというリズムの上をゆったりとしたメロディが流れる。
途中の、空間を意識したリラックスしたアドリブ部分が心地よい。

2. ALMA
こちらもタラララ~ラ~という上昇していく心地よいベースの上を、穏やかでリラックスしたメロディが流れる。途中からベースがハーモニーを奏でるところが結構格好良い。リラックス感にあふれた曲。

3. Mirror
乾いた激しいドラムで始まり、ピアノがドラマティックに入ってきて激しいメロディをスピード感を持って奏でる。

4. JUMP!
ラテン味あふれる楽しい曲。間奏部分のドラムソロも格好良い。

5. Kiss Jannett For Me
穏やかで美しいメロディの曲。ベースのソロで入って柔らかいピアノの音色がメロディを奏でる。7分を超える大作だが、リラックスして優しい曲なのでゆったりとした気持ちで聴ける。

6. Palindrome
ミドルテンポの明るい曲。中間部のアドリブ部分はピアノが結構激しく暴れまわる。

7. La Part Des Anges
ゆるく、少し哀愁漂うメロディの静かな曲。

8. Babyplum
2枚目の「Reach」にも収録されているナンバー。結構いろんなところでやっているので、Jackyお気に入りの曲なのであろう。
跳ねた感じの楽しい曲。メロディが体に染み込んでいるので、かなり楽しく聴ける。

9. What Happens AU6
この曲も跳ねた感じのベースソロで始まる。ピアノが激しく叩きつけるようなメロディを奏でる。ベースとピアノがバトルしているかのよう。

10. My Lys
楽しく陽気に始まる。ミドルテンポの優しいメロディがピアノによって奏でられる。最後は哀愁たっぷりの優しいメロディが奏でられ終わる。

11. Lacrimosa
モーツァルトのレクイエムからメロディを取った曲。
静かなピアノソロ曲。

12. Nausica
かなりゆっくりとした間の多い曲。消え入りそうな雰囲気の静かな曲。

13. This is Mine
若い頃のJackyを彷彿とさせる、リズミカルで開放感に満ちた始まり。中の解説を読むと、恐らく子供たちへの愛情の叫びを曲にしたものっぽい。そのへんが若々しさを感じさせるのかもしれない。かなり楽しく心弾む曲。メロディも綺麗。アドリブ部分のベースソロもかなり格好良く、ピアノ・ベース・ドラムがバトルっぽくなる部分は素晴らしい。

14. La Part Des Anges - Reprise
ベースの伴奏に乗って、語りで始まる。ピアノも静かに入ってくる。フランスっぽい。

15. Blues en Femmes Majeures
ピアノもベースもゴツゴツした感じ。ドラムはかなり乾いた音を奏でる。混沌とした感じの曲。

16. Resilience
家族に捧げられた曲らしい。哀愁漂う静かな曲。

かなりリラックスしたベースが活躍するアルバム。

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弦楽四重奏曲 第十二番 変ニ長調 Op.133 [ショスタコーヴィチ 室内楽 弦楽四重奏曲]


Shostakovich: Complete String Quartets

Shostakovich: Complete String Quartets

  • 出版社/メーカー: Melodiya
  • 発売日: 1997/08/12
  • メディア: CD



第一楽章
★★★☆☆☆☆☆☆☆
暗く重いチェロの音色で始まる。他楽器も静かに入ってきて不気味なハーモニーを奏でる。そのまま不気味な旋律がひたすら流れる。

第二楽章
★★★★☆☆☆☆☆☆
20分を超える長い楽章。すこし明るめにスピード感を持って始まる。
滑稽な感じとシリアスな感じが順々に出てくる。
チェロの静かなソロの後、かなり苦しげな雰囲気となる。
ピッチカートの音が鳴り響いたのち、かなり悲劇的になる。
混沌とした後不協和音をたっぷり響かせながらも最後は綺麗に終わる。

正直あまり面白くない曲。
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弦楽四重奏曲 第十一番 ヘ短調 Op.122 [ショスタコーヴィチ 室内楽 弦楽四重奏曲]


Shostakovich: Complete String Quartets

Shostakovich: Complete String Quartets

  • 出版社/メーカー: Melodiya
  • 発売日: 1997/08/12
  • メディア: CD



第1楽章 イントロダクション(アンダンティーノ)
★★★★★☆☆☆☆☆
ビオラ?が悲しげな単音の旋律を静かに奏で、ヴァイオリンとチェロがそっと寄り添うように入ってくる。荒涼感のある楽章。

第2楽章 スケルツォ(アレグレット)
★★★★★☆☆☆☆☆
少し元気さが出てきてスピードが上がる。対位法を活かしたおどけた楽章。

第3楽章 レチタティーヴォ(アダージョ)
★★★★★☆☆☆☆☆
激しく情熱的。

第4楽章 エチュード(アレグロ)
★★★★★☆☆☆☆☆
無窮動的な速い楽章。

第5楽章 ユモレスク(アレグロ)
★★★★★☆☆☆☆☆
キレの良い同じフレーズをひたすらヴァイオリンが奏でる中、他楽器が激しく音を鳴らす。

第6楽章 エレジー(アダージョ)
★★★★★☆☆☆☆☆
暗く重く始まる。この曲の白眉。優美だが悲しげな旋律が奏でられる。

第7楽章 フィナーレ(モデラート-メノ・モッソ-モデラート)
★★★★★☆☆☆☆☆
前向きながらもどこかおどけた感じの最終楽章。最後は静かに消え入るように終わる。
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弦楽四重奏曲 第十番 変イ長調 Op.118 [ショスタコーヴィチ 室内楽 弦楽四重奏曲]


Shostakovich: Complete String Quartets

Shostakovich: Complete String Quartets

  • 出版社/メーカー: Melodiya
  • 発売日: 1997/08/12
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
荒涼感のある第一主題、諧謔的な第二主題、実験的な展開部。

第二楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
諧謔的で少し激しめの楽章。後半は好戦的になる。

第三楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
憂いのあるゆったりとした楽章。途中から少し高貴な響きとなる。

第四楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
かなり諧謔的な行進曲風の主題。
優美でなめらかなメロディが間に挟まれる。
途中荒涼感のある行進曲となる。
諧謔的な行進曲、なめらかなメロディが回帰された後、荒涼とした雰囲気で終わる。
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弦楽四重奏曲 第九番 変ホ長調 Op.117 [ショスタコーヴィチ 室内楽 弦楽四重奏曲]


Shostakovich: Complete String Quartets

Shostakovich: Complete String Quartets

  • 出版社/メーカー: Melodiya
  • 発売日: 1997/08/12
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
幻想的な第一主題、少しおどけた感じのはねた感じの第二主題。展開部は少し不気味。最後は幻想的に不安げに終わる。

第二楽章
★★★★☆☆☆☆☆☆
アタッカでそのまま入り、暗く重い旋律が流れ出す。暗い楽章。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
疾走感のある、馬を駆って走っているかのような爽快な楽書。

第四楽章
★★★★★★☆☆☆☆
ゆったりとしたリラックスした雰囲気の楽章。中間部はピッチカートを使用したかなり間のある感じとなる。後半突然悲劇的にドラマティックになる。

第五楽章
★★★★★★☆☆☆☆
戦に向かうかのような勇ましい主題。
戦の間の休憩中の踊りを表しているかのような勇ましい中に諧謔的な感じのある跳ねた雰囲気となる。
勇ましい主題の後、間の多い恐ろしげな地獄を模したような雰囲気となる。
段々と明るく前向きな勇ましとなっていく。
最後は鋭角的にスピード感を持って終わる。


初めは暗いが後半は段々と元気に明るくなっていく悪くはない曲。
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弦楽四重奏曲 第八番 ハ短調 Op.110 [ショスタコーヴィチ 室内楽 弦楽四重奏曲]


Shostakovich: Complete String Quartets

Shostakovich: Complete String Quartets

  • 出版社/メーカー: Melodiya
  • 発売日: 1997/08/12
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
暗く重い始まり。第二主題は少し悲しげ。ずっと暗い。

第二楽章
★★★★★★★☆☆☆
結構激しい情熱的な楽章。悪魔たちの祭典のような雰囲気。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
少し諧謔味のあるはねた感じの楽章。不気味な感じがある。

第四楽章
★★★★★★☆☆☆☆
暗めの静かな雰囲気で始まる。段々と優しく高貴な雰囲気になるが最後は暗く終わる。

第五楽章
★★★★★★★☆☆☆
前楽章の暗さを引きずって静かに始まる。そのまま静かに終わる。

とにかく暗い曲。
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弦楽四重奏曲 第七番 嬰ヘ短調 Op.108 [ショスタコーヴィチ 室内楽 弦楽四重奏曲]


Shostakovich: Complete String Quartets

Shostakovich: Complete String Quartets

  • 出版社/メーカー: Melodiya
  • 発売日: 1997/08/12
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★★☆☆☆☆
諧謔的なメロディが不気味な伴奏の上を流れる第一主題、似たような第二主題、ピッチカートで始まる展開部。結構同じような雰囲気で曲は進む。

第二楽章
★★★★★★☆☆☆☆
こちらも迷宮に入ったような不気味な伴奏の上を、静かな若干悲しげで若干諧謔的なメロディが流れる。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
元気で快活な最終楽章。若干暗さが混じる。途中NHK大河ドラマ『真田丸』のオープニングテーマ曲のようなメロディが流れる。最後はそっと終わる。
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