テンペスト JS.182 [シベリウス 劇音楽]
The Sibelius Edition: Theatre Music
- 出版社/メーカー: Bis
- 発売日: 2008/07/28
- メディア: CD
シェイクスピア原作の作品。ベートーヴェンやチャイコフスキーも音楽化しており、(ベートーヴェンは微妙だが・・・)こちらも音楽家を刺激する作品なのだろう。
01番 序曲:船が逆巻く波に飲み込まれる。
★★★★★★☆☆☆☆
題名通りの曲。かなり荒れ狂う波をうまく表していると思う。劇が行われている中でのBGMだからなのだろうが、若干長い。最後は嵐が収まり穏やかになり静かに終わる。
第一幕
02番 ミランダは眠りに想う
★★★★★★☆☆☆☆
バロック的な響きを持った幻想的な始まり。ハルモニウムとハープの音の絡みがとても綺麗。
03番 エアリエルが飛んでいる
★★★★☆☆☆☆☆☆
20秒程度の曲。
04番 風の合唱
★★★★★★☆☆☆☆
確かに風がそよいでいるような雰囲気。シベリウスは非常に描写的な音楽がうまいと思う。
05番 エアリエルを急ぎ去らせる
★★★★★☆☆☆☆☆
おどろおどろしい20秒程度の曲。
06番 エアリエルの第一の歌「きらめく砂浜を訪れて」
★★★★★★☆☆☆☆
牧歌的な美しい前奏で始まる。優美な伴奏に乗って美しい合唱がボカリーズで歌う。
ティンパニーの音が鳴り響き、半音階的な若干不安定なメロディをメゾ・ソプラノが歌う。
07番 エアリエルの第二の歌「深い水底にあなたの父上は眠る」
★★★★★☆☆☆☆☆
おどろおどろしい短い前奏の後、暗く重いメロディをメゾ・ソプラノが歌う。
第二幕
08番 間奏曲 プロスペロー
★★★★★★★☆☆☆
悲しげな旋律で始まる。段々と明るくなりはじめ、壮大な雰囲気となっていく。管楽器の牧歌的でありながらもどこか英雄的なメロディが綺麗で心に残る。最後はしっとりと終わる。
09番 樫の木 エアリエルはフルートを吹く
★★★★★☆☆☆☆☆
夜の暗闇の中を、不気味な動物の鳴き声が鳴り響いているような感じ。幻想的で不安感の強いメロディ。
10番 エアリエルの第三の歌「ここで鼾をかいて寝ていると」
★★★★★☆☆☆☆☆
優しく繊細な前奏で始まる。語りかけるような諭すようなメロディ。「寝ているといたずらされるから起きろ!」と歌っているらしい。
11番 間奏曲 キャリバン
★★★★★★☆☆☆☆
悪い妖精のテーマらしく悪い感じが良く出ている。
12番 ステファノーの歌「二度と海へは行くものか」
★★★★★☆☆☆☆☆
バリトンが力強く叫ぶように歌う。
13番 キャリバンの歌「くたばれプロスペロー」
★★★★★☆☆☆☆☆
悪い感じがよく出ている酔っ払っているかのような歌。
第三幕
14番 間奏曲 ミランダ
★★★★★★☆☆☆☆
美しく流麗な曲。
15番 ユモレスク
★★★★☆☆☆☆☆☆
行進曲風の曲。
16番 カノン 「馬鹿にしてやろう、のぞいてやろう」
★★★★★☆☆☆☆☆
妖精たちの「いたずらしたやろう」とセリフがカノンで楽しく歌われる。後半は歌がなくなり優雅になる。
17番 アントニオ 異様な人物の踊り
★★★★★★☆☆☆☆
劇的な始まり、弦のこするような音が不穏な雰囲気を醸し出している。段々と東洋風のメロディが流れ始めスピードもあがっていく。
18番 エアリエルはハービーのように
★★★★★☆☆☆☆☆
お祭りの始まりを告げるかのようなファンファーレ的なものが流れた後、一気に暗くなり、幻想的な雰囲気に包まれる。
19番 異様な人々は踊りさる
★★★★★★☆☆☆☆
明るく軽快で楽しげな曲。
第四幕
20番 間奏曲 アロンソは嘆く
★★★★★☆☆☆☆☆
静かな幻想的な始まり。そのまま静かに終わる。
21番 エアリエルが飛んでいる
★★★★☆☆☆☆☆☆
ディズニー映画の始まりのような曲。20秒程度。
22番 エアリエルの第四の歌「口を開くやいなや」
★★★★★★☆☆☆☆
物悲しい息の長い旋律の曲。1分弱の短い曲。
23番 虹
★★★★★☆☆☆☆☆
不穏な静かな雰囲気で始まる。そのままもやっと終わる。
24番 イリスのメロドラマ
★★★★★☆☆☆☆☆
三拍子のエキゾチックなメロディの曲。
25番 ジュノーの歌「名誉や富」
★★★★★★☆☆☆☆
大地に感謝を捧げる、少し哀愁漂う感動的なナンバー。
26番 水の精たちの踊り
★★★★★★★☆☆☆
優雅な三拍子で始まる。同じようなメロディが短調で悲しげに奏された後、明るさを取り戻し優雅になる。シベリウスらしい美しいワルツ。
27番 刈り取り夫たちの踊り
★★★★★☆☆☆☆☆
一転して軽快な鄙びた雰囲気の曲。
28番 エアリエルが飛んでいる
★★★★★★★☆☆☆
20秒ほどの曲。
29番 エアリエルを急ぎ去らせる
★★★★☆☆☆☆☆☆
20秒ほどの曲。
30番 エアリエルが飛んでいる
★★★★★☆☆☆☆☆
20秒ほどの曲。
31番 犬たち
★★★★☆☆☆☆☆☆
ファンファーレが鳴り響き、軽快な音楽が続く。
第五幕
31番bis 前奏曲
★★★★★★☆☆☆☆
軽快で爽快な美しい曲。
32番 エアリエルは敵をプロスペローのもとに連れて行く
★★★★★☆☆☆☆☆
おどろおどろしい嵐が吹き荒れるようなはじまり。後半は落ち着いて穏やかな雰囲気となる。
33番 エアリエルの第五の歌「ミツバチの吸う花の蜜を吸い」
★★★★★★★☆☆☆
軽快な行進曲風の前奏の後、伸びやかな美しいメロディが歌われる。若干ヴァイオリン協奏曲の三楽章を彷彿とさせる。
34番 行列
★★★★★★☆☆☆☆
爽快な広がりのある曲。
34番bis エピローグ オッシア
★★★★★☆☆☆☆☆
最後は穏やかに静かに平和的に終わる。
シェイクスピアの『テンペスト』の雰囲気をよく表している曲だと思う。