考える方法

考える方法: <中学生からの大学講義>2 (ちくまプリマー新書)

• 出版社/メーカー: 筑摩書房
• 発売日: 2015/02/06
• メディア: 新書

「中学生からの大学講義」というシリーズの第二巻。前巻が学問に対する接し方的な概論的な話が多かったのに対し、こちらは各分野をもう少し掘り下げた感じの本。

哲学、科学、人類学？、ジェンダー論、社会学などなど、結構身近な話題に触れながら、学問に本質に迫っている感じが良い。個別に掘り下げている分、前巻よりも、自分に興味のない話題も多く、若干読み飛ばす章も多かったが、それなりに勉強になった。

The Old Curiosity Shop

Old Curiosity Shop (Wordsworth Collection)

• 作者: Dickens, Charles
• 出版社/メーカー: Wordsworth Editions Ltd
• 発売日: 1998/01/01
• メディア: ペーパーバック

十数年前、この本を読んだとき8割がた分からず、500ページを超える洋書のページをただひたすらめくっているだけだった。

今回読んでみて、６～７割は理解できた。あらかじめ、大体のあらすじを読んでいた＆自分の英語力が少しは上がったということがあるのかもしれない。とにかく結構理解できてかなり楽しめた。

物語は大きく二つの軸から成り立っている。
少女Nellに幸せな生活をさせてあげたいと願うばかり、賭博に手を出してしまい中毒になってしまった祖父が営んでいた「骨董屋」から夜逃げして、行く道々で様々な人に会うのがひとつの軸。

もう一つは、夜逃げしたお祖父さんとネルを追いかける悪党Quilpと「骨董屋」で働きネルを慕っていたKitの間接的な戦い。

旅芸人や、蝋人形館など怪しげな職を営む人々、老教師とNellとの心の交流を描いたロードムービー的な第一の軸も面白いが、ディケンズならではの、法律とアクの限りを尽くした人物たちと人の良い紳士やひたすら性格の良い青年たちとの戦いを描いた第二の軸の方がハラハラドキドキで面白い。特に物語解決に決定的な役割を果たすMr. Swivellerはかなり良い味を出している。

かなり長かったが全く飽きずに読めた。かなり面白い作品と言える。

腹を空かせた勇者ども

腹を空かせた勇者ども

• 作者: 金原ひとみ
• 出版社/メーカー: 河出書房新社
• 発売日: 2023/06/14
• メディア: Kindle版

この作品が雑誌「文藝」に掲載されていた当時、東京新聞に書評が載り興味を持ってわざわざ図書館まで雑誌を借りに行って読んだ作品。あまりにも面白く単行本化を心待ちにしていたが遂に単行本化！！！

１．腹を空かせた勇者ども
２．狩りをやめない賢者ども
３．愛を知らない聖者ども
４．世界に散りゆく無法者ども

1,2は当時読んだのだが、これだけで本にするには短すぎるよな、と思っていたのだが、続編があったらしくそれを楽しみに頭から読み始めた。

コロナ禍での女子高の女の子を描いた作品。親との葛藤、クラブ活動、恋人との関係、勉強のことなどなど、中高生が悩む様々なテーマをうまく盛り込み、型にはまることのできない子供たちを暗に励ます内容となっておりとても共感しながら読むことができる。

あまりにもテーマが色々あり、何とも言えないが、主人公で何に対しても一生懸命で不器用なレナレナ、頭は悪いけど心優しく頑張り屋のヨリヨリ、自分を抑えながらも主張するところは主張し一生懸命生きるミナミ、中国からの心優しい留学生イーイー、とにかく危なっかしいながらも心優しい女の子たちが悩みながらも一生懸命生活する姿を描いたこの作品。かなりの傑作。文庫本化されたら是非買いたい。

5つの小品

Sibelius Edition 4: Piano Music 1 (Box)

• 出版社/メーカー: Bis
• 発売日: 2008/06/02
• メディア: CD

1. メヌエット
★★★★★☆☆☆☆☆
あまりメヌエット感のない、力強い曲。30秒ほど。

2. アレグロ
★★★★★★☆☆☆☆
流麗で明るい春を感じさせてくれる曲。

3. モデラート
★★★★★☆☆☆☆☆
暗く重い曲。

4. ヴィヴァーチェ
★★★★★☆☆☆☆☆
明るく短い曲。

5. アンダンティーノ
★★★★★☆☆☆☆☆
ゆったりとした最後にふさわしい曲。

普通の曲集。

JS30,40番台の３つの小品

Sibelius Edition 4: Piano Music 1 (Box)

• 出版社/メーカー: Bis
• 発売日: 2008/06/02
• メディア: CD

1. アンダンテ　変ホ長調　JS. 30a
★★★★★★★☆☆☆
ゆったりとした前奏で始まり、舟歌のような穏やかで美しい旋律が流れる。
中間部は重く情念的な雰囲気と軽やかな雰囲気が交互にやってくる。
最後は舟歌の美しいメロディが流れ静かに終わる。
結構良い曲。

2. 朝の歌　JS.46
★★★★★☆☆☆☆☆
トリルによる速い前奏の後、穏やかな心落ち着くメロディが流れる。段々とドラマティックにロマンティックになっていく。

3. 黄昏に　JS. 47
★★★★★☆☆☆☆☆
若干つかみどころのない秋を感じさせる曲。

スケルツォ

Sibelius Edition 4: Piano Music 1 (Box)

• 出版社/メーカー: Bis
• 発売日: 2008/06/02
• メディア: CD

1. ホ短調のトリオによるスケルツォ　JS. 134a
★★★★★★☆☆☆☆
軽快に始まる。結構親しみやすいメロディ。中間部は哀愁漂う悲しげなメロディ。はじめの軽快な感じに戻り明るく終わる。

2. イ長調のトリオによるスケルツォ　JS. 134b
★★★★★☆☆☆☆☆
基本、１と同じメロディの曲。

3. コン・モート　常に弱音ペダルを用いて　JS. 52
★★★★★★☆☆☆☆
優雅なワルツで始まる。哀愁漂う感じになったり、スピード感のあるコロコロ回る感じになったりと雰囲気が結構変わる。最後は堂々としたワルツに戻り終わる。

あこがれ(ため息の神秘) JS. 203

Sibelius Edition 4: Piano Music 1 (Box)

• 出版社/メーカー: Bis
• 発売日: 2008/06/02
• メディア: CD

1. 詩　　「2つの掟が人生を支配する」
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「欲望」と「断念」の二つが人生を支配するという詩

2. ピアノ「ラルゴ～アンダンテ」
★★★★★★☆☆☆☆
力強い和音によるメロディで始まる。途中叙情的にすこし悲しげになるが基本淡々としている。

3. 詩　　「海を見たか」
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
うねる海を歌った詩

4. ピアノ「アンダンティーノ」
★★★★★☆☆☆☆☆
ゴロゴロした左手の上を情熱的なメロディが奏でられる。頂点を迎えた後、輝きに満ちた美しいメロディが流れる。

5. 詩　　「風の音が聞こえるか」
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
よくわからない哲学的詩。

6. ピアノ「モルト・アレグロ～アンダンテ～アダージョ・カンタービレ」
★★★★★★☆☆☆☆
キラキラした海の揺れを表しているかのような始まり。その後ゆったりと美しい単音のメロディが奏でられフーガ風に曲が流れる。
その後、ゆったりとした美しい叙情的なメロディとなる。
最後はキラキラした感じとなり終わる。

7. 詩　　「春とは何か」
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ため息」は姿を変えるという詩

8. ピアノ「アレグロ～アンダンティーノ～モデラート～アンダンテ～ポコ・アダージョ～アレグレット」
★★★★★★☆☆☆☆
力強い単音で始まり、哀愁漂う美しいメロディとなる。繊細な雰囲気になった後、最後は秋を感じさせる雰囲気となり終わる。

9. 詩　　「人間よ、人生の智恵を知りたいか」
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
断念が栄光を導くだろうと歌い終わる。

10. ピアノ「ラルゴ」
★★★★★★☆☆☆☆
堂々とした悲しげな重い曲。

試みは面白い。