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キプロスの女王ロザムンデ D.797 [シューベルト 劇付随音楽]





序曲
★★★★★☆☆☆☆☆
重々しく始まり、やがて優しい雰囲気となる。様々な表情を変えながら曲は進むが普通。

第一幕の後の間奏曲
★★★★★★☆☆☆☆
激しくドラマティックな始まり。重々しさの中にどこか高貴な雰囲気が漂っている。

幽霊の合唱
★★★★★★☆☆☆☆
穏やかで宗教的な合唱曲

バレエ音楽第一番
★★★★★★☆☆☆☆
第一幕の後の間奏曲に似た曲。後半の牧歌的で平和な雰囲気は綺麗。

羊飼いの旋律
★★★★★★★☆☆☆
バッハに似た、簡潔で柔らかい音楽。短いがとても綺麗。

羊飼いの合唱
★★★★★★★☆☆☆
前曲の柔らかく暖かい雰囲気を引き継いた佳曲。合唱と管楽器が美しい。

第三幕の後の間奏曲
★★★★★★★★★☆
弦楽四重奏曲「ロザムンデ」やピアノ即興曲D935-3にも使われている美しい主題を持った曲。
主題が柔らかに優雅に奏でられる。
管楽器による物悲しいメロディ。
短い柔らかな主題。
少し速いテンポで緊張感ある雰囲気。
最後は美しい主題で終わる。

ロマンツェ
★★★★★★★★☆☆
短調と長調を揺れ動く息の長い美しいメロディの曲。シューマンの「献呈」に似たフレーズが見られる。

第二幕の後の間奏曲
★★★★★☆☆☆☆☆
力強い堂々とした曲。

狩人の合唱
★★★★★☆☆☆☆☆
華やかで宮廷的な感じの合唱曲。管の音が若干牧歌的な感じを出している。

バレエ音楽第二番
★★★★★☆☆☆☆☆
こちらも高貴な雰囲気の曲。

全体的に普通だが、第三幕のあとの間奏曲とロマンツェは非常に美しい。
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ヴァイオリンとピアノのための華麗なるロンド ロ短調 D.895 [シューベルト 室内楽曲]





★★★★★★★☆☆☆
若干憂いを帯びた感じではあるが、華麗に始まる。その後、穏やかな天国的な音楽となる。その後民族色豊かな感じと華麗なる感じの音楽が順番に流れる。

派手な感じでステージ映えするであろう曲。
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ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ)第三番 ト短調 D.408 [シューベルト 室内楽曲]





第一楽章 Allegro Giust
★★★★★★★★☆☆
ヴァイオリンとピアノが同時に悲劇的な激しい主題を奏でて始まる。緊張感に満ちた第一主題、少し明るい第二主題、展開部も見事。美しい第一楽章。

第二楽章 Andante
★★★★★★☆☆☆☆
モーツァルト的な優しい緩徐楽章。中間部の少し暗さを帯びた深い部分は少し面白い。

第三楽章 Menuetto - Allegro Vivace
★★★★★★☆☆☆☆
明るく元気な始まり。中間部は少し鄙びた感じ。

第四楽章 Allegro Moderato
★★★★★★☆☆☆☆
若干憂いを帯びたたおやかな始まり。その後力強くなり、最終楽章らしくなっていく。若干ロマ音楽っぽい民族色がある雰囲気となる。最後は華やかに終わる。

若干こじんまりした感じの曲。
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ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ)第二番 イ短調 D.385 [シューベルト 室内楽曲]





第一楽章 Allegro Moderato
★★★★★★★☆☆☆
憂いに満ちた悲劇的な主題で始まる。美しく内省的な第二主題が非常に美しい。たたみかけるような展開部もドラマティック。

第二楽章 Andante
★★★★★★★★☆☆
ハイドンをおもわせる、高貴で優美な雰囲気で始まる。途中若干感情の高まりを見せるが基本的に穏やかな美しい楽章。

第三楽章 Menuetto
★★★★★★★☆☆☆
スケルツォ的な力強い感じのメヌエット楽章。ほのかに優しさと哀愁が感じられる短い楽章。

第四楽章 Allegro
★★★★★★★★☆☆
緊張感のあるメロディで始まる。ヴァイオリンとピアノのやり取りが楽しい。伸びやかな田園風のメロディとの対比も面白い。若干厳しいフーガ風な感じもあり聴き応えのある楽章。

緊張感漂う美しい曲。
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ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ)第一番 ニ長調 D.384 [シューベルト 室内楽曲]





第一楽章 Allegro Molto
★★★★★★★☆☆☆
鄙びた感じではあるが、力強い親しみやすいテーマで始まる。短調の緊張感ある第二主題も綺麗。

第二楽章 Andante
★★★★★★☆☆☆☆
高貴なゆったりとした緩徐楽章。若干モーツァルトっぽい。中間の物悲しい部分はシューベルトの良さが出ている。

第三楽章 Allegro Vivace
★★★★★★★☆☆☆
軽快なロンド楽章。楽しい雰囲気で聞いていて心軽くなる。

全体的に優しい雰囲気の曲。
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灰色の魂 [文学 フランス]


灰色の魂

灰色の魂

  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2004/10/22
  • メディア: 単行本



フィリップ・クローデルという作家をはじめて知ったのは、作家小川洋子さんがパーソナリティをつとめるTokyo FMの「メロディアス・ライブラリ」という番組だった。ここで紹介された『リンさんの小さな子』があまりに素晴らしく、それを読んで以来、ずっと気になっていた作家だった。

今回何故だか覚えていないが、彼への興味が再燃し、絶版になっている彼の諸作品を全部購入してしまった。

そして初めに読んだのがこの本、『灰色の魂』。

まず語り手の「私」が誰なのか、なかなかわからない。そして様々な登場人物が少しずつ紹介されていくのだが、それぞれがどこかミステリアスで、心に傷を持った感じで、しかも一直線に時間が進んでいくわけではなく、現在(語り手が語る現在)と過去を行ったり来たりしながら話は進んでいくので、中々全体像が掴みづらい。

第一次世界大戦時の話で、戦争で負傷した兵士や、戦地に向かう兵士が町に現れることはあるが、直接的に物語のストーリーに関係あるわけではない。

〈昼顔〉と呼ばれる町の酒場(食事処?)の十歳くらいの娘が、川べりで殺害される。
さらに、リジア・ヴェラレーヌと言う、町の外からやってきた皆から人気の美しい女教師がある日自殺する。
その二つの事件に深く関わっていそうなのが、この町の名士で、検察官のデスティナ。彼は昔非常に美しい妻を病気でなくしており、妻が亡くなって以来、一人で孤独に静かに暮らしている。
さらに、語り手「私」の妻クレマンスも、出産時になくなってしまう。

この4つの死、いくつかは奇怪な死をめぐって物語は進んでいく。事の真相に近づきそうで近づかない、そして人の心の闇みたいな部分が少しずつ顕になっていく物語で、一般受けしないだろうが、何かじわっと感じるものがある。

派手な作品でもないし、涙あふれる感動的な作品ではないが、何となく心に残る、そして何度でも読み返したくなる類の作品であることは間違いない。
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ヴァイオリンとピアノのための幻想曲 ハ長調 D.934 [シューベルト 室内楽曲]





せっかく書いたのに上書きで消してしまった・・・。久しぶりにやってしまった。

第一楽章 Andante Moltp
★★★★★★★★★☆
ピアノのトレモロで始まる。非常に幻想的で美しい曲。ピアノがとても難しそうな曲。

第二楽章 Allegretto
★★★★★★★★☆☆
性急な感じの出だし。途中の緩やかな感じも悪くない。最後は緊迫感のある感じで終わる。

第三楽章 Andantino
★★★★★★★★★☆
リュッケルト詩の自作の歌曲「くちづけを贈る」のメロディを使った変奏曲。とても美しいメロディで、快活な変奏もあり、最終変奏のゆったりとした美しい雰囲気が素晴らしい。

第四楽章 Allegro vivace
★★★★★★★★★☆
第一楽章の幻想的な始まりが回帰され、その後英雄的な格好良い雰囲気となる。最後は第三楽章の主題が回帰され、華やかに終わる。

素晴らしい名曲で、もっと知れ渡っても良い曲だと思う。
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ピアノの連弾ための幻想曲 ヘ短調 D.940 [シューベルト 室内楽曲]





第一楽章 Allegro molto moderato
★★★★★★★★★☆
深い悲しみを湛えた静かな始まり。はじめの主題を長調で奏でた後、激情的になりその後は再び静かになり哀愁漂うメロディが奏でられる。アタッカでそのまま進む。

第二楽章 Largo
★★★★★★★★★☆
激情的な前奏のあと、穏やかな小川のせせらぎを摸したかのような美しい音楽となる。少し感情のこもった熱い部分もある。

第三楽章 Allegro vivace
★★★★★★★★★☆
情熱的なメロディ。激しい中に優しさのある美しい曲。

第四楽章 Allegro molto moderato
★★★★★★★★★☆
第一楽章のテーマが回帰され静かに始まる。ベートーヴェンのソナタを彷彿とさせる凄まじいフーガが展開された後、召命されるように静かに終わる。

名曲。
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ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調 D.574 [シューベルト 室内楽曲]





第一楽章 Allegro moderato
★★★★★★★☆☆☆
鄙びた感じの優しいメロディをピアノが奏で、それをヴァイオリンが受ける。少し緊張感のあるスピードがある第二主題の後、英雄的な第三主題的なメロディを経て、それらがリピートされる。展開部は少し暗い雰囲気。各主題が回帰され優しく終わる。

第二楽章 Presto
★★★★★★☆☆☆☆
性急な感じの楽章。中間部は優雅な感じで恋人の語らいのよう。

第三楽章 Andantino
★★★★★★★☆☆☆
非常に優雅で優美な美しい雰囲気の曲。かなり親密な愛の語らいをおもわせる。恋人通しの心の葛藤、仲直りの過程のような、様々な要素が組み込まれておりかなり物語的な楽章となっている。

第四楽章 Allegro vivace
★★★★★★★☆☆☆
英雄的な最終楽章。かなりスピード感もあり格好良い。

まさに「ソナタ」という感じの各楽章の特徴が際立った作品。

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不時着する流星たち 短編⑬ [文学 日本 小川洋子 短編]


不時着する流星たち (角川文庫)

不時着する流星たち (角川文庫)

  • 作者: 小川 洋子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/06/14
  • メディア: Kindle版



不時着する流星たち

01. 誘拐の女王
02. 散歩同盟会長への手紙
03. カタツムリの結婚式
04. 臨時実験補助員
05. 測量
06. 手違い
07. 肉詰めピーマンとマットレス
08. 若草クラブ
09. さあ、いい子だ、おいで
10. 十三人きょうだい

ある作家やアーティストの作品などにインスパイアされて作られた10の物語集。

01. ヘンリー・ダーガーという作家の『非現実の王国で』という作品を元に作られた作品。ある日、主人公の女の子と、母が再婚した相手の男の娘が同居することになる。その娘は主人公の女の子よりもかなり年が上で、母親との方が、歳が近いくらい離れている。あまり親しくすることもなく生活していたが、ある日「誘拐されて小屋に閉じ込められていた」と言われる。その後彼女が誘拐されていた時の話を色々と聞かされるのだが、話をされた夜は、決まって姉の部屋から色々な人の大きな声が聞こえてくる。実は、彼女は色々な人になってその声を発しているのであって、素の声の彼女はひたすら謝っている。結局母と再婚相手は離婚し、姉は去っていくのだが、彼女との唯一の思い出、ラクロスのラケットだけは大事に取ってある。
 何かのトラウマを抱えた人を物語したものなのか、結構怖い話だった。

02. ローベルト・ヴァルザーというスイスの作家をベースにした作品。散歩が趣味の男性の話。小説を書くのが好きで、小説家になろうとしたがあきらめ、出版社の配送業務をしている。綺麗に包装し配送することに誇りを持って働いている。そこで出会った喫茶店の女性とひと時心を通わす。結局最後は主人公が病にかかり病院に入る。
 これも恐らく精神に関する病気であろうことが、想像される。

03. パトリシア・ハイスミスという人をベースにした作品。主人公の女の子は、大勢の中で実は生きづらさを感じている。そして同じような思いを抱えている人を探している。彼女はおそらくいじめにもあっている。そんな彼女は家族とたまにいく空港への旅行を楽しみにしている。旅行のために空港へ行くのではなく、空港へ行くために、空港へ旅行へ行くのだ。空港で弟と一緒に飛行機を眺めていたのだが、ある日、礼拝堂と授乳室の前で、かたつむりの競争をさせている男と出会う。その出会いによって何となく自分と同じ空気を持った人を見つけ出すことが出来る。
 とても共感できる息苦しさを感じでいる人の物語。

04.
社会心理学者スタンレー・ミルグラムによって開発された実験を元にした作品。落ちている手紙を、どれくらいの人が差出人に届けてくれるか、という社会・心理実験のために、手紙を落とすアルバイトを引き受けた女性が主人公の話。彼女は、生後一年に満たない子どもを持つ母親とコンビを組んで手紙を落とすバイトを行う。途中で、搾乳する話や、コンビの女性がそのバイトを辞めた後、主人公がその女性宅に遊びに行く場面など、結構生々しいものが多い。

05.
ピアニスト、グレン・グールドを元にした作品らしいが、他作品と違い、どの辺がグレン・グールドからインスパイアされたのかイマイチ私には分からなかった。目が見えなくなってしまった祖父のために、孫が歩数を一緒に数えてあげる話。祖父は昔とてもお金持ちだったらしく、今住んでいる所を超えた周囲一帯が塩田で自分の家の所有物だったと孫に語り、かつてあった色々なものの場所へ、孫と歩数を数えながら歩き回る。そんな中段々と祖父も衰えていき歩ける距離も短くなっていき・・・。

06.
生涯の大半を、ナニー(乳母)として送りながら膨大な写真を撮った人を元に作られたものらしい。葬儀の際、死者をあの世へ平和に送るためには、小さな子供が必要だ、と考える人のために、「見送り幼児」としての役割を果たす一家の話。現実味のない話だが、何故か現実感がある不思議な柔らかい雰囲気の話。

07.
バルセロナオリンピック男子バレーボールアメリカ代表を元に作られたらしいが、ほぼ彼らは出てこない。事故で片耳が聞こえなくなってしまった息子R。彼はどこかの国に留学しており、主人公である母親が彼のもとを訪ね、彼の好物である肉詰めピーマンを作ってあげる話。眠かったせいもあるがあまり心に響かなかった。

08.
映画『若草物語』に出演したエリザベス・テイラーを元にした作品。『若草物語』を学校で演じた4人の女の子が登場人物。主人公は、台本を作った女の子。彼女は、目立たない四女のエミイ役をやらされるのだが、エリザベス・テイラーがその役を映画で演じていたと知り、彼女の自伝などを読み、彼女にどんどんはまっていく。彼女が飼っていたシマリスまで飼おうとするが、高額で手に入らず代わりにハムスターを飼うことに。しかしこのハムスター〓が悲劇を招くことに。
かなり面白い一編だった。

09.
世界最長のホットドッグをもとにしたストーリー。子どもがいない夫婦が、文鳥を飼うことに。二人で『愛玩動物専門店』に行く。そこで対応してくれた店員のお兄さんに、妻はほのかな恋心のような気持ちを抱いてしまう。家にやってきた文鳥は初めは妻にも夫にも可愛がられていたのだが・・・。朝早くから鳴いたり、爪が伸びすぎてしまって枝にうまくとまれなかったりと段々と文鳥から気持ちが離れていく。それと反比例するように、妻は『愛玩動物専門店』のお兄さんに惹かれていく。そのお兄さんを店に探しに行った帰り、広場で世界一長いホットドッグを作ろうとしているイベントに出くわす。そんなざわざわした中、主人公の妻が最後に意味のわからない行動を取る・・・。

10.
13人兄弟の父親を持つ女の子が主人公の物語。父親の末の弟、サー叔父さんと主人公の心の交流を描いた物語。

全体的にあまり心響く物語は少なく、もう一歩な感じの短編集だった。


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アルペジョーネとピアノのためのソナタ D.821 [シューベルト 室内楽曲]


シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」/アルペジオーネ・ソナタ

シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」/アルペジオーネ・ソナタ

  • アーティスト: ヨーヨー・マ
  • 出版社/メーカー: SMJ(SME)(M)
  • 発売日: 2008/11/19
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★★★★★☆
チャイコフスキーをおもわせる、哀愁漂う寒々とした美しいメロディで始まる。第二主題の少し民族的なリズミカルな部分も格好良い。展開部(?)の長調に一瞬変わる愛らしい部分も悪くない。ロシア的哀愁と東欧的なリズミカルさを併せ持った美しい楽章。

第二楽章
★★★★★★★★★☆
ショパンのノクターンをおもわせる、夢見るような息の長い美しい旋律が、穏やかなピアノ伴奏の上で、チェロによって奏でられる。若干暗さを帯びてきたところで、そのまま第三楽章になだれ込む。

第三楽章
★★★★★★★★☆☆
最終楽章っぽくない、物事を達観したかのような、清々とした伸びやかな音楽となる。天上の音楽のような雰囲気の前奏部分が終わると、第一楽章のリズミカルな部分っぽい雰囲気が戻ってきて一気に盛り上がる。ロマ風音楽となり華やかに終わるのかと思いきや最後は、静かに終わる。

チャイコフスキー、ドヴォルザーク、ショパン、マーラーを合わせたような多面性を持った美しく楽しい曲。
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八重奏曲 D.803 [シューベルト 室内楽曲]


シューベルト:8重奏曲 / Wiener Oktett, 6.41555 AN

シューベルト:8重奏曲 / Wiener Oktett, 6.41555 AN

  • アーティスト: ウィーン八重奏団
  • 出版社/メーカー: Decca
  • メディア: LP Record



第一楽章 Adagio – Allegro – Più allegro
★★★★★☆☆☆☆☆
Fの音で力強く始まり、優しい序奏が続いた後、力強い主題となる。高貴で、時に牧歌的な感じもあり、聴きやすくはあるが面白みはあまりない。

第二楽章 Adagio
★★★★★★★★☆☆
「アヴェ・マリア」の伴奏のようなアルペジオっぽい弦の伴奏で始まり、これまた「アヴェ・マリア」のような息の長い美しい旋律が管楽器によって優しく奏でられる。その後伸びやかな、草原をイメージさせる壮大な雰囲気となる。再び「アヴェ・マリア」に似た旋律が流れ、少し悲しげな雰囲気となる。再び牧歌的な雰囲気となり、最後、コントラバスの「ボン、ボン」という面白い音が聞こえ、楽しげに終わる。

第三楽章 Allegro vivace – Trio – Allegro vivace
★★★★★★☆☆☆☆
快活な楽章。途中のミドルテンポの優雅な部分も綺麗。

第四楽章 Andante – Variations
★★★★★★★☆☆☆
優雅な踊りたくなるような主題を持った変奏楽章。非常に優雅な楽章。最後は子守歌のような優しく穏やかな曲調となり静かに終わる。

第五楽章  Allegretto – Trio – Allegretto – Coda
★★★★★★☆☆☆☆
優雅極まりないメヌエット楽章。中間部は少しゆったりとしたひなびた感じになるが、全体的に優雅。最後は静かに終わる。

第六楽章 Andante molto – Allegro – Andante molto – Allegro molto
★★★★★☆☆☆☆☆
いきなり嵐の前触れのような激しい前奏が流れる。劇的な音楽が最後に展開されるのかと思いきや、凄まじく高貴で優雅な音楽が流れる。後半ロマ風音楽となり、最後は多少ドラマティックに終わる。

悪くはないが、少し高貴な感じ漂いすぎていて普通すぎる。
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弦楽四重奏曲 第十三番 「ロザムンデ」 D.804 [シューベルト 室内楽曲]


シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と少女」&第13番「ロザムンデ」

シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と少女」&第13番「ロザムンデ」

  • アーティスト: カルミナ四重奏団
  • 出版社/メーカー: 日本コロムビア
  • 発売日: 2008/12/17
  • メディア: CD



第一楽章 Allegro ma non troppo
★★★★★★★★☆☆
幽玄な弦の伴奏に乗って悲劇的なメロディが奏でられる。一瞬明るさが指すが、再び力強く悲劇的なメロディが奏でられる。展開部の対話的な美しい雰囲気も綺麗。最後は悲劇的に終わる。

第二楽章  Andante
★★★★★★★★★☆
劇音楽「キプロス島のロザムンデ」の第三間奏曲を主題とした美しい緩徐楽章。

第三楽章 Menuetto – Allegretto – Trio
★★★★★★★★☆☆
霧深い森の中を描いたかのような幽玄的な始まり。中間部は少し柔らかい雰囲気になるが、もやっとした幽玄な世界観は漂っている。

第四楽章 Allegro moderato
★★★★★★★★☆☆
結構ゆったりとした高貴な雰囲気で始まる。まるでメヌエット楽章のような優雅な音楽が続いて展開されていく。段々と激しさを増していくが、再び穏やかになる。最後は優雅に終わる。

交響曲「未完成」的な雰囲気を持った優しい曲。
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ヘンゼルとグレーテル [オペラ ドイツ]


フンパーディンク:歌劇《ヘンゼルとグレーテル》チューリヒ歌劇場1998年 [DVD]

フンパーディンク:歌劇《ヘンゼルとグレーテル》チューリヒ歌劇場1998年 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 日本コロムビア
  • 発売日: 2011/01/19
  • メディア: DVD



ストーリー:★★★★★★★★☆☆
アリア  :★★★★★★★★☆☆
音楽全体 :★★★★★★★★☆☆

とにかく、楽しいオペラ。この映像の初めには、オペラが始まるのを待つ小学生低学年くらいの子供もたくさん写っている。

ドイツの民謡から題材を取った魅力あふれる楽しいメロディ、間奏曲の美しさ、展開の楽しさなど、子どもが初めに接するには絶好の作品と言えるのではないだろうか。
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作家になりたい⑫ 青い鳥文庫からデビューするのは? [文学 日本 児童書 青い鳥文庫]


作家になりたい!(12) 青い鳥文庫からデビューするのは? (講談社青い鳥文庫)

作家になりたい!(12) 青い鳥文庫からデビューするのは? (講談社青い鳥文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2022/08/10
  • メディア: 新書



遂に最終巻。
初めはかなり面白いシリーズだったのだが、後半かなり失速してきていて単なる恋のお遊びみたいな感じになっていたのだが、最終巻は面白かった。
自分を信じて生きること、周りの人々の助けがあって今の自分があること、誠実に生きること、など大切なことを教えてくれるストーリーになっていた。

最後、ライバルであり、嫌な奴役をずっと背負わされてきた由里亜も大団円に向けて大きな役割を果たすところもとても良かった。

本が出版されるまでの流れもわかり面白かった。
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弦楽四重奏曲 第十四番 「死と乙女」 D.810 [シューベルト 室内楽曲]


シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と少女」&第13番「ロザムンデ」

シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と少女」&第13番「ロザムンデ」

  • アーティスト: カルミナ四重奏団
  • 出版社/メーカー: 日本コロムビア
  • 発売日: 2008/12/17
  • メディア: CD



第一楽章 Allegro
★★★★★★★★☆☆
緊張感をはらんだ、不穏な雰囲気で始まる。少し柔らかい第二主題が流れ、その後転調を繰り返しながら悲劇的な緊迫感を保ち曲は進む。メロディが綺麗という感じではないのだが、とにかく格好良い楽章。

第二楽章  Andante con moto
★★★★★★★★☆☆
「葬送行進曲」のような暗く重い「死と乙女」のピアノ伴奏部分を主題を用いた変奏曲。
物悲しく鳥がささやきあうような第一変奏
チェロによる息の長い旋律を奏でる美しい第二変奏
ドラマティックで力強い第三変奏
平和で牧歌的な第四変奏
勢いのある第五変奏
穏やかなコーダ
長さを感じない美しい楽章。

第三楽章 Scherzo: Allegro molto
★★★★★★★★☆☆
英雄的な先鋭的な雰囲気で始まる。中間部の柔らかい穏やかなところも美しい。最後は先鋭的に格好良く終わる。

第四楽章 Presto
★★★★★★★★☆☆
前楽章を引き続き、攻撃的な感じで始まる。途中、優雅なメロディが少し交じるが、基本は激しい雰囲気が支配している。最後はスピードを増して行き悲劇的に終わる。


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ピアノ五重奏曲 ます D.667 [シューベルト 室内楽曲]


シューベルト:ピアノ五重奏曲

シューベルト:ピアノ五重奏曲

  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
  • 発売日: 1996/05/22
  • メディア: CD



第一楽章 Allegro Vivace
★★★★★★★★★☆
力強い前奏の後、牧歌的な美しい主題が提示される。第二主題の歌謡風の綺麗な旋律をピアノとヴァイオリンが掛け合い部分も美しい。展開部?の少し幽玄で混沌とした感じも悪くない。

第二楽章 Andante
★★★★★★★★☆☆
高貴な雰囲気のゆったりとした楽章。中間部の少し緊張感のある部分も良い。

第三楽章 Scherzo Presto
★★★★★★★★☆☆
元気で明るい始まり。躍動感があり楽しい。中間部の優雅な雰囲気も良い。

第四楽章 Andantino Allegretto
★★★★★★★★★☆
歌曲「ます」のメロディを使用した変奏曲。
伸びやかな美しいメロディがヴァイオリン?によって奏される。
ピアノが堂々と主題を提示。
牧歌的な弦による主題の提示。
スピード感のあるピアノと弦のバトル。
悲劇的な展開。
ゆったりとした瞑想的な雰囲気。
最後は伸びやかに終わる。
様々な雰囲気が楽しめる美しい変奏曲。

第五楽章 Allegro Giusto
★★★★★★★★☆☆
堂々とした最終楽章にふさわしい始まり。様々に変化しながらも美しいメロディは一貫して流れている。

とにかく全編にわたって耳馴染みの良いメロディが流れ続ける傑作。
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シューベルト 歌曲集35 [シューベルト 歌曲]


The Complete Songs

The Complete Songs

  • アーティスト: Schubert, F.
  • 出版社/メーカー: Hyper
  • 発売日: 2005/11/25
  • メディア: CD



01. D.896b「雲と泉(?)」
★★★★★★★☆☆☆
水が滴るような美しいメロディの曲。前奏、間奏のピアノも美しい。

02. D.896「幸せな別れ」
★★★★★★☆☆☆☆
元気で跳ねた感じの始まり。段々と悲しげで哀愁ただよう感じになるが、前向きな感じではある。

03. D.896a「愛の中のあなた」
★★★★★★★★☆☆
穏やかで美しい曲。転調の嵐だが、とにかくメロディが綺麗で聴きやすい。ピアノ伴奏も良い。

04. D.926「泣くこと」
★★★★★★☆☆☆☆
淡々とした感情を排したような曲だが、美しい。

05. D.927「私のゆりかごの中で」
★★★★★★☆☆☆☆
暗くしんみりとした始まり。後半は流れるような美しいメロディが登場すし、一度劇的に力強くなるが、最後は再び暗くしんみりとなり終わる。

06. D.933「漁師の愛の喜び」
★★★★★☆☆☆☆☆
しっとりとした独白のような始まり。悪くはないのだが長く飽きる。

07. D.931「酒盛りをするヴェレンシュタインの槍兵」
★★★★☆☆☆☆☆☆
題名通りの力強い曲。

08. D.932「十字軍」
★★★★★☆☆☆☆☆
昔を懐かしむような語り口調のメロディで始まる。淡々とした曲。

09. D.936「イレーネ・フォン・キーゼヴェッターの全快祝いのためのカンタータ」
★★★★★☆☆☆☆☆
子どものおもちゃ箱のような楽しげな曲。最後は華やかに終わる。わざわざ聴きたい曲ではない。

10. D.938「冬の夕べ」
★★★★★★★★☆☆
和音の連続による優しく穏やかなメロディが心を打つ。後半はアルペジオになり、流れるような美しい世界を作り上げている。10分近い大作だが終始穏やかで綺麗な曲。

11. D.939「星たち」
★★★★★★★☆☆☆
馬のギャロップのような前奏で始まり、歌とピアノが対話をする。

12. D.826「踊り」
★★★★★☆☆☆☆☆
元気な合唱曲。

13. D.943「流れの上で」
★★★★★★☆☆☆☆
流麗なピアノのアルペジオに乗って、ホルン?ののどかで美しいメロディが流れる。その後ホルンのオブリガードに支えられ、穏やかにメロディが歌われる。途中力強くなる部分もあるが、基本的には非常に牧歌的で平和な音楽。
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琥珀のまたたき 長編⑱ [文学 日本 小川洋子 長編]


琥珀のまたたき (講談社文庫)

琥珀のまたたき (講談社文庫)

  • 作者: 小川 洋子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/12/14
  • メディア: 単行本



再読 私が前に書いたのとほぼ同じ感想を持った。小川洋子さんという人は、犯罪的行為を描いても、どこか優しさを持って描いてしまう人なのだなあと改めて感じた。

前に書いたブログの内容。
実の母親に監禁される(外に出てはいけないと言われそれを忠実に守る)子供たちの物語。これだけを読むと非常に暗いイメージを持ってしまうのだが、読んでいて暗い印象は全くない。その閉じられた空間で、しかも限られた姉・弟・弟という三人の人物だけで、ここまで世界が広がっていくのか、とびっくりしてしまうほど広大な世界が広がっている。
しかし閉じられた空間というのはどうしても外部からのちょっとした侵入で壊れやすくなる。
草を狩るためにこの世界に連れてこられたロバ
前の住人に対して営業をかけていた男
彼らが入り込むことで絶妙に保たれていたバランスが見事に崩れ出す。

いつも書いていることだが、特別であること、グローバルであること、外の世界に開かれていることが賞賛されるこの世の中において、普通・平凡であること、同じことを繰り返すこと、閉じられていることなどの、美しさ・愛おしさにスポットをあて、ことさらそれを賞賛するでもなく、そっと読者に提示する、小川洋子さんの優しい世界が私は大好きである。

私が読んだ本は文庫なので、最後に解説が付いている。
大森静佳(歌人)さんという人が書いているのだが、その最後に次のような一節がある。本編ではないが、この作品のすばらしさを非常に簡潔に言い当てている文なので紹介したい。

「声の大きいひとの言うことが広く「真実」にされてしまいがちなこの現実において、『琥珀のまたたき』のような物語に耳を澄ませる時間が、どれほど貴重で、愛おしいか。この小説を読んで、私はまた少し、人間を、そして物語というものを好きになった気がする。」

今回読んで、死んでしまった四番目の女の子の存在が、この家族の中でとても大きな存在だったことに意識がかなり向いた。自分の子供が成長したことで、「子どもが死ぬ」ということに対する感じ方が少し変わったのかもしれない。そして、長女オパールに寄せる、淡い恋心に似た琥珀の気持ちも繊細に描かれており、興味深かった。さらに、この本の語り手(?)の、元伴奏ピアニストは誰なのか、という若干ミステリー的要素(結局最後まで明確にはわからないが・・・)も楽しめた。
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