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リトル・バイ・リトル [文学 日本 島本理生]


リトル・バイ・リトル (角川文庫)

リトル・バイ・リトル (角川文庫)

  • 作者: 島本 理生
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/05/25
  • メディア: 文庫



母親が離婚・再婚・離婚し、腹違いの妹と母親と三人の女性で暮らす主人公ふみ。
母親の働く整骨院にやってきたキックボクシングをやっている青年周と出会い、何気ない会話、行動を共にすることで、彼女の暗い過去を自己認識し何となくそれを自分で解決していく方向へと向かう。

アンニュイな感じで、淡々と進んでいくが、どこか温かい。肉体関係も出てこず、悪役っぽい人もあまり出てこないので結構読みやすい。そこまで面白い作品ではない。

未成年の飲酒、飲酒運転、違法な自転車の乗り方など、結構アウトな描写が多い作品でもある。
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ナラタージュ [文学 日本 島本理生]


ナラタージュ (角川文庫)

ナラタージュ (角川文庫)

  • 作者: 島本 理生
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/09/20
  • メディア: Kindle版



映画化もされ書評も大評判のこの書。
女子校生とその子がいじめで悩んでいる時に救った世界史教師の恋愛物語。

純愛小説、とよく言われているのだが、この本のテーマは全く違う。
自分の気持ちに正直なせいで相手を精神的に傷つけてしまっていること、デートDV、家庭内精神的DV、そしてまさに本当の性暴力など、一見純愛に見えるものから生まれる様々な暴力的側面に光を当てた小説と言える。

様々なポップ・ミュージックやJazz,文学作品が登場するのだが、あまりそこに登場する意味も感じない。途中の男女が付き合っている部分の描写も結構読んでいて辛くなる。かなり村上春樹の小説っぽくて読んでて若干気持ち悪くなった。

そしてこの人は徹底的に、気持ちの高まり⇒肉体関係、ではなく、肉体関係⇔精神、みたいな性の描き方をしているなあと思った。

正直私には受け付けない小説だった。
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Op.065 交響曲第八番 ハ短調 [ショスタコーヴィチ 交響曲]

第一楽章
★★★★★★★☆☆☆
まさに悲劇の序章といった前奏から始まり、息の長い悲しげで静かな旋律が弦楽器によって奏でられ、だんだんと管楽器に移行していく。弦に戻り非常に内省的な感じになっていく。だんだんと感情的高まりを見せ打楽器も入り盛り上がる。ティンパニーやパーカッションが大活躍する悪魔たちの祭典のような雰囲気となる。その後静かな夜がやってくる。ファンファーレがなりひびき悲痛になった後、最後は静かに穏やかに終わる。

第二楽章
★★★★★★☆☆☆☆
悲劇的で力強い始まり。行進曲風になった後、少し諧謔的に。その後行進曲風に戻り壮大に盛り上がっていく。

第三楽章
★★★★★★☆☆☆☆
弦がこ気味良く力強いリズムをひたすら奏で続ける。その上を不安げだけど力強いメロディが流れる。
アタッカでそのまま第四楽章へ。

第四楽章
★★★★★★☆☆☆☆
銅鑼が鳴り響き、その後悲劇的なゆったりとした感じになる。穏やか少し安らぎのある雰囲気がやってくる。低音がたえず呻くようなベースラインを奏でているのが印象的。後半は幽玄な雰囲気になっていく。

第五楽章
★★★★★★☆☆☆☆
少し乾いた感じの感情を配した始まり。段々と感情が入ってくる。荒涼とした雰囲気で曲は進む。パーカッションが鳴り響き凄まじい盛り上がりを見せた後、荒涼とした雰囲気に戻り最後は静かに消え入るように終わる。

悪くはないが長い。
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Op.080 交響曲第七番 ハ長調 レニングラード [ショスタコーヴィチ 交響曲]

第一楽章
★★★★★★★★☆☆
これから戦争へ赴かのような力強くて勇壮な第一主題。
平和で穏やかで美しい第二主題。
小太鼓がこ気味良いリズムを叩き、その上を牧歌的なメロディが流れる。段々と勇ましく堂々としてくる。同じメロディが繰り返される、この部分かなり長いのだが、ラヴェルの「ボレロ」にかなり影響を受けているらしい。銅羅の音が響き渡り悲劇的で壮大な雰囲気となる。
その後静かで穏やかな夜の音楽となり、そのまま静かに終わる。

30分近い長大な楽章だがメロディもキャッチーで飽きない。

第二楽章
★★★★★★★☆☆☆
深い森をさまよっているかのような静かな始まり。管楽器による哀愁漂う美しいメロディが聞こえてくる。段々と盛り上がって行き感情的高まりを見せるが、後半再び穏やかになる。最後は静かに終わる。

第三楽章
★★★★★★★☆☆☆
オルガンの音で荘厳に始まる。若干悲しげでせつなげな主題を弦楽器が奏でる。深く深遠な世界がなだらかに広がっていく。
突然悲劇的なメロディが、弦楽器の迫ってくるような伴奏に乗って現れる。行進曲風に盛り上がった後、明るく穏やかなメロディが静かに流れる。最後には澄み切った雰囲気となり終わる。

第四楽章
★★★★★★★☆☆☆
静かに囁くように始まる。だんだんと力強さを増して行く。
途中静かになり牧歌的な雰囲気となる。だんだんと不穏な空気が流れ出し弦の低音が静かにずっとなっている上を苦しげな旋律が流れる。ゆっくりと盛り上がり始めクライマックスを迎える。ティンパニーの音も成り壮大になっていく。最後は高らかに勝利宣言をし終わる。

一楽章一楽章がそれぞれ長く最後の方は若干飽きてくるが、ひとつひとつの要素が良いので良い。

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南十字星 [ミュージカル 劇団四季]


劇団四季 ミュージカル 南十字星 [DVD]

劇団四季 ミュージカル 南十字星 [DVD]

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • 発売日: 2009/01/23
  • メディア: DVD



Story: ★★★★★★★★☆☆
Music:★★★★☆☆☆☆☆☆


中国・韓国侵略、シベリア抑留などをテーマにした文学作品や映像作品は少ないが、南方への侵略をテーマにしたものは少ない気がする。そうした中、オランダ占領下のインドネシアに攻め入った日本軍をテーマにし、日本人とインドネシア人の愛をテーマにしながら、戦争責任に関して観ているものに強く考えさせる作品となっている。

正直ミュージカル作品としては、音楽があまりにつまらないのでもう一歩。しかし劇として色々考えさせられる部分が多い。南方に侵略した日本の残虐さの描写がもう一歩な気がするが、主人公の人間性のすばらしさをうまく描き出し、そうした人が色々な人の思惑によって処刑されてしまう物語をもうまく描き出している。

「歴史の転換点には、無数の名もない若者の命が失われる」「無価値の価値を信じて私は死んでいく」という主人公の最後の言葉は心に響いた。

劇団四季も、ディズニー作品で適当にお茶をにごすのではなく、昭和・戦争三部作のような骨太の作品をもっと上演すればよいのにと思う。
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Op.054 交響曲第六番 ロ短調  [ショスタコーヴィチ 交響曲]

第一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
分厚い弦の前奏で始まる。
悲劇的なメロディから少し乾いた感じになり、盛り上がった後、静かで穏やかな雰囲気となる。
突然太鼓の音が鳴り響き暗く陰鬱になる。東洋風の笛の音がなる。
20分近い長大な楽章。

第二楽章
★★★★★★☆☆☆☆
軽やかで躍動的に始まる。段々と盛り上がる。鳥たちが自由に飛び回っているような感じ。段々とほかの動物たちも参加し大騒ぎとなる。

第三楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
躍動的な主題で始まる。少し諧謔的な雰囲気を挟みながら盛り上がっていく。最後は楽しげに終わる。

悪くはないが普通。
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Op.047 交響曲第五番 二短調  [ショスタコーヴィチ 交響曲]

第一楽章
★★★★★★★☆☆☆
悲劇的な序奏の後、静かな悲しげな旋律が弦楽器によって奏でられる。
静かで悲しげな高音の第二主題。
ピアノが乾いた旋律を奏で展開部が始まる。馬が大草原を疾走するような雰囲気となる。劇的に堂々とした音楽となりクライマックスを迎える。
静かで平和な夜の音楽となりチェレスタの音も登場し穏やかに終わる。

第二楽章
★★★★★★★☆☆☆
力強い弦の音で始まる。開放感のある勇ましいメロディが流れた後、少しウィットに富んだ楽しく明るいメロディが管楽器によって奏でられる。最後は愛らしく楽しげに終わる。

第三楽章
★★★★★★★☆☆☆
天上をイメージさせる静かで息の長い美しい旋律を弦楽器が奏でる。その後暗めのメロディがオーボエによって提示され少し不吉な雰囲気となる。段々と盛り上がって行き、弦のトレモロの伴奏に乗って哀愁漂う美しいメロディが奏でられる。最後は静かに終わる。

第四楽章
★★★★★★★☆☆☆
「水戸黄門」のような時代劇のような始まり。ティンパニーも大活躍。
大変な事件が起きたような騒がしい音楽となる。
事件が解決し皆が平和理に家路につくかのような音楽となる。ホルンの音が牧歌的。
少し不吉な雰囲気が流れ出す。
最後はティンパニーの力強い音と共に勝利感に満ちた紅葉感たっぷりの堂々としたフィナーレを迎える。

メロディが美しかったり心に残ったりする曲ではないが、確かに悪くはない。

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ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 [文学 日本 辻村深月]


ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)

  • 作者: 辻村深月
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/12/03
  • メディア: Kindle版



殺人事件と思わしき描写から始まる。しかも娘が母を殺したという。
犯人と思われる女性の「親友」だった女性が、真相を知るために色々な人に話を聞いて回るのが第一章。
犯人と思われる女性の語りが第二章となっている。

辻村深月得意の、同じストーリーを重層的に語らせ厚みを持たせ真相へと迫っていく形になっている。しかも現在から過去へたどっていくので、段々と色々なことがわかってくる。
よく『傲慢と善良』とともに語られるのがわかる気がした。

テーマは田舎の生活の狭さ、女性のコミュニティーでの掟、グループ内格差、などなど、確かにこの本を深化させたのが『傲慢と善良』という書評は納得できる。

とにかく一つ一つがよくわかる。表面上は仲良くしているが、学歴によって話が合わなかったり、馬鹿にしたり、敬遠したり、恐ろしい程に表面上の笑顔のしたの人間の醜い部分をえぐり出すような描写の部分がとても共感できた。

p181~
「公立の中学校から先の高校や大学は、自分で選んだ進学先だけあって、私と同じ程度の志向の、似た種類の人間が集まる。学力はもちろん、家庭環境、考える力までが釣り合っていたように思う。
 山梨に戻って、チエミたちと再開したとき、驚かされたのは、彼女たちの圧倒的な関心のなさ、考える力のなさだった。驚かされた、というよりは、思い出した、というべきか。中学校の頃と同じく、自分の身の回りの範囲と芸能ニュースにしか興味がないのだ。
 県議会議員と国会議員の区別がつかず、選挙があってたとえ投票しても、自分が今投じた票が、何を
決めるための選挙なのかがわからない。~中略~景気が悪い、と現状を嘆いていても、その原因がどこからくるのかは興味がない。」

この辺の描写は非常に共感できた。しかし、村上春樹や朝井リョウなどのキザで自意識過剰なエリート意識たっぷりのいやらしい感じではない。どちらが良い悪いではなく、結局どちらも自分の世界の中でしか生きていない傲慢な考え方なのだ、ということをちゃんと提示している。やはり上記の男性作家ふたりと違って、辻村深月は人間全体に対する、人の心に対する優しい視点がある。

長く、結構読みすすめるのがキツイ部分もあるが、名作だと思う。

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Op.043 交響曲第四番 ハ短調  [ショスタコーヴィチ 交響曲]

第一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
東洋風の笛の音と激しいパーカッションの前奏で始まり、これから戦闘へ向かうかのような第一主題が激しく奏でられる。第二主題は少し静か。第三主題は諧謔的に始まるがだんだんシリアスさを増していく。展開部は美しく広がりのある幻想的な雰囲気で始まる。すこし森の中に迷い込んだかのような感じになる。その後軽やかな部分が一旦現れるが、段々と混沌へと向かっていく。ティンパニーの音が静かに鳴り響き、主題へ戻る。最後は静かに終わる。
30分近い楽章で正直飽きる。

第二楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
ABABA
A:緊張感を持った弦楽器による静かな雰囲気
B:静かな森の中を描いたような雰囲気

第三楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
エキゾチックな静かな始まり。深遠な感じになった後、シリアスになっていく。
突然コミカルになり様々なメロディが流れ出す。
ティンパニーが鳴り響き突然盛り上がる。
最後は深淵に静かに終わる。

長い。
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フェリックスの手紙 [文学 海外 絵本]

『フェリックスの手紙』シリーズを次男としばらく読んでいて、遂に読み終わった。
これは長男と一緒にも読んだ本で、長男も次男もお気に入り。
ソフィーが小さい頃から大事にしているフェリックスといううさぎの人形がある日旅に出てしまい、旅先からソフィーに手紙を送ってくるというもの。物語の合間合間に、封筒に入った手紙があり、実際に封筒から手紙を出して読める形になっている。最後にはお土産も入っており、かなり凝った作りになっている。

主人公ソフィーの通う学校は恐らくシュタイナー教育学校。ソフィーが興味を持ったことを先生が取り上げそのままみんなでしらべ発表みたいな場面も多く出てくる。世界各地の地理や歴史を学べたり、差別について取り上げたりと、児童書にしてはかなり深いものとなっている。子供たちもこの本で世界の国々について色々と知ることができた。

この本は、ブロンズ新社から出版されていて、全部で7冊あるのだが、今や1、4巻以外は品切重版未定状態。良い本なのにもったいない。是非全巻復刊を願う。


フェリックスの手紙: 小さなウサギの世界旅行

フェリックスの手紙: 小さなウサギの世界旅行

  • 出版社/メーカー: ブロンズ新社
  • 発売日: 1994/09/20
  • メディア: 大型本




フェリックスの手紙 2

フェリックスの手紙 2

  • 出版社/メーカー: ブロンズ新社
  • 発売日: 1995/07/01
  • メディア: 大型本




フェリックスの手紙〈3〉―特別限定版

フェリックスの手紙〈3〉―特別限定版

  • 出版社/メーカー: ブロンズ新社
  • 発売日: 1999/03/01
  • メディア: 大型本




フェリックスの手紙〈4〉―サンタクロースとクリスマス旅行

フェリックスの手紙〈4〉―サンタクロースとクリスマス旅行

  • 出版社/メーカー: ブロンズ新社
  • 発売日: 1997/11/30
  • メディア: 大型本




フェリックスの手紙 5

フェリックスの手紙 5

  • 出版社/メーカー: ブロンズ新社
  • 発売日: 1999/11/01
  • メディア: 大型本




フェリックスの手紙 7

フェリックスの手紙 7

  • 出版社/メーカー: ブロンズ新社
  • 発売日: 2006/01/01
  • メディア: 大型本







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Op.030 交響曲第三番 変ホ長調「メーデー」 [ショスタコーヴィチ 交響曲]

単一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
牧歌的なクラリネットのソロで曲が静かに始まる。
壮大な大地をイメージさせる美しく伸びやかなメロディが流れたあと少し力強い主題が提示される。
第二主題は混沌とした感じ。その後伸びやかな行進曲風の音楽となり諧謔的な感じになっていく。

静かで荒涼としたアンダンテ部分。どことなく諧謔的な感じがある。弦楽器の音がキーキー鳴って耳障り。少し落ち着いて穏やかな雰囲気となる。

再び盛り上がりを見せ戦闘的な雰囲気となる。その後祝祭的な感じになり明るくなる。
死刑執行のような感じの悲劇的な場面がやってくる。

ホルンの音が鳴り響き静かになる。弦楽器のキュ~ンという音と管楽器の音が対話をするように繰り返され段々と盛り上がっていく。

最後は悲劇的な合唱となり終わる。

まあ雰囲気がコロコロ変わるので楽しくはあるが普通。


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Op.014 交響曲第二番 ロ長調「10月革命に捧げる」 [ショスタコーヴィチ 交響曲]

単一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
唸るような始まり。地球がはじめにできた様子を表すかのような雰囲気がしばらく続く。
ポンッという合図とともに地球が生成されると、少し乾いた感じの音楽となる。盛り上がり始め生命体が動き出す。
ヴァイオリンの音を合図に、諧謔的な音楽となる。形を持ったちゃんとした生命体(鳥類?)が現れた的な?
クライマックスを迎えた後は、感情を知ってしまった人類の苦悩を表しているかのような音楽となる。
最後は苦悩も吹っ切れたかのように力強い男声合唱となる。そのうち女声合唱も入ってきてクライマックスを迎える。共産党・レーニン賛歌の歌詞らしい。

上記のような物語がイメージできる曲。
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Op.010 交響曲第一番 ヘ短調 [ショスタコーヴィチ 交響曲]


ショスタコーヴィチ:交響曲第1番、第15番&第14番、室内交響曲(UHQ-CD/MQA)

ショスタコーヴィチ:交響曲第1番、第15番&第14番、室内交響曲(UHQ-CD/MQA)

  • アーティスト: アンドリス・ネルソンス
  • 出版社/メーカー: Universal Music
  • 発売日: 2021/06/25
  • メディア: CD



第一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
ファンファーレ風の少し不安げな前奏の後、クラリネットが諧謔的で軽めのな第一主題を奏でる。第二主題は少しシリアスな感じの転びそうなワルツ。展開部は少し暗く静かになったり、ごちゃごちゃ大騒ぎしたりと気分がコロコロ変わる。

第二楽章
★★★★★★☆☆☆☆
シリアスに緊張感を持って始まる。結構スピード感がある。ピアノも登場する。弦と管とピアノのやりとりが結構面白い。少し行進曲風だが静かで不穏な中間部。だんだんスピードが上がって行き、ピアノが登場し最初の部分が回帰される。最後は激しいピアノの連続音で終わる。

第三楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
荒涼とした管楽器の雰囲気で始まる。同じメロディを弦が引き継ぐ。少し盛り上がるがすぐ静かになる。後半に行くに連れ段々と感情的に盛り上がって行き最後はアタッカで最終楽章へ。

第四楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
太鼓とシンバルの音が鳴り響いた後、壮大な雰囲気となる。
スピードが上がりピアノも入ってきて混沌とした雰囲気となる。
一通り盛り上がった後、静まり荒涼とした雰囲気となる。
最後は盛り上がって終わる。

変化があって面白くはあるが、メロディメーカーとしてのショスタコーヴィチの本領は発揮されていない。

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Op.129 ヴァイオリン協奏曲第二番 嬰ハ短調 [ショスタコーヴィチ 協奏曲]


Violin Concerto 1 Op 77 / Violin Concerto 1 Op 19

Violin Concerto 1 Op 77 / Violin Concerto 1 Op 19

  • 出版社/メーカー: EMI Classics
  • 発売日: 1999/05/28
  • メディア: CD



第一楽章 モデラート
★★★★★★☆☆☆☆
不穏な空気の短い前奏で始まり、ヴァイオリンが不安げな旋律を静かに奏でる。オケは相変わらず不穏な空気を纏っている。段々と元気になっていくが少し不安げ。第二主題は、見張りを頼まれている兵士たちが、静かに酒盛りをして楽しんでいるような感じ。展開部はそれが盛り上がってしまいたのしみ始め騒いでいる感じ。最後は初めの不穏な空気になり静かに終わる。
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Op.077 ヴァイオリン協奏曲第一番 イ短調 [ショスタコーヴィチ 協奏曲]


Violin Concerto 1 Op 77 / Violin Concerto 1 Op 19

Violin Concerto 1 Op 77 / Violin Concerto 1 Op 19

  • 出版社/メーカー: EMI Classics
  • 発売日: 1999/05/28
  • メディア: CD



第一楽章 ノクターン・モデラート
★★★★★★☆☆☆☆
深い森をイメージさせる陰鬱な前奏に始まり、ヴァイオリンが静かに瞑想的なメロディを奏でる。徐々に感情的に盛り上がっていく。基本的にはヴァイオリンがひたすらメロディを引き続け、オーケストラは幻想的な音をもやっと流し続ける。途中ハープが入るあたりはかなり幻想的。

第二楽章 スケルツォ・アレグロ
★★★★★★★☆☆☆
ヴァイオリンが先鋭的な音を奏で、オケは自由に遊んでいる感じで、まさにスケルツォという感じ。
中間部はオケとソロが調和し、悪魔の祭りのような激しい音楽となる。
後半は乾いた感じになり、オケも自由に動き回る。これが一楽章のほうが良い気がする。

第三楽章 主題と8つの変奏によるパッサカリア
★★★★★★★★☆☆
堂々とした荘厳な前奏の後、ゆったりとした哀愁漂う美しい主題が提示される。
第一変奏 穏やかで美しい
第二変奏 劇的で伸びやか
第三変奏 穏やかで暖か
第四変奏 静かで瞑想的
第五変奏 間の多い静かなソロ
第六変奏 激しくカデンツァ的
第七変奏 かなり激しく先鋭的
第八変奏 最終楽章へアタッカでつながるメロディが交じってくる。

第四楽章 ブルレスケ
★★★★★★★☆☆☆
ティンパニーの音が鳴り響き開放的なお祭りのような雰囲気となる。諧謔的で乾いた感じになる。疾走感がある中間部は格好良い。最後は、キレのあるソロでオケも堂々と終わる。

第一楽章は暗く重いが、ところどころに美しいメロディは出てくるし、第二楽章以降は聴きやすいメロディが多く結構楽しく聴けるそれなりの名曲。
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Op.102 ピアノ協奏曲第二番 ヘ長調 [ショスタコーヴィチ 協奏曲]


Shostakovich: Piano Concertos Nos.1 & 2, Symphony No. 9

Shostakovich: Piano Concertos Nos.1 & 2, Symphony No. 9

  • 出版社/メーカー: DECCA
  • 発売日: 2012/01/27
  • メディア: CD



第一楽章 アレグロ
★★★★★★☆☆☆☆
楽しげに始まる。第一主題は少しシリアスな感じになるがどこか諧謔的。展開部は非常に諧謔的でピアノの音がたまにおもちゃの音のように聞こえる。だんだんシリアスになっていき最後は勇ましく終わる。

第二楽章 アンダンテ
★★★★★★★☆☆☆
悲しみに満ちた旋律をオケが奏でて始まる。安らぎに満ちた美しい旋律をピアノがゆったりと奏でる。

第三楽章 アレグロ
★★★★★★☆☆☆☆
軽やかで牧歌的なピアノで始まる。オケの伴奏もはねた感じで楽しそう。中間部はシリアス。段々と力強くなっていきパーカッションの音も鳴り響き盛り上がっていく。最後は楽しげに終わる。
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Op.035 ピアノ協奏曲第一番 ハ短調 [ショスタコーヴィチ 協奏曲]


Shostakovich: Piano Concertos Nos.1 & 2, Symphony No. 9

Shostakovich: Piano Concertos Nos.1 & 2, Symphony No. 9

  • 出版社/メーカー: DECCA
  • 発売日: 2012/01/27
  • メディア: CD



第一楽章 アレグロ・モデラート
★★★★★★☆☆☆☆
元気なピアノとオケの前奏の後、左手は練習曲のように動き回り、右手は全く別のメロディを奏でるという複雑怪奇な第一主題が始まる。第二主題は少し叙情的。途中トランペットとのやり取りもある激しい展開部を経て、最後は静かに終わる。

第二楽章 レント
★★★★★★☆☆☆☆
孤独で静かな夜を感じさせるオケの演奏で始まる。メランコリックでゆったりとしたメロディがピアノによって奏でられる。

第三楽章 モデラート
★★★★★★☆☆☆☆
ピアノ・ソロによるフーガで始まる。オーケストラが入りシリアスになっていく。

第四楽章 アレグロ・コン・ブリオ
★★★★★★☆☆☆☆
アタッカでそのまま始まり元気な音楽となり再びトランペットとバトルを繰り広げる。
途中トランペットがノンキなメロディを奏で、ピアノが同じメロディをスピードを上げて演奏。
その後カデンツァ?が入り、オケとともにJazz風に最高級に盛り上がりトランペットも加わり終わる。
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よだかの片思い [文学 日本 島本理生]


よだかの片想い (集英社文庫)

よだかの片想い (集英社文庫)

  • 作者: 島本 理生
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/09/18
  • メディア: 文庫



島本理生作品はまだ2作品しか読んでいないが、心に葛藤を抱えながら、傷ついたり言葉にできない気持ちなどを癒したり発散したりする過程で誰かと肉体関係を結び、本来の自分を取り戻していく的な主人公像が、どうしても私には入ってこなかった。

しかし、この作品は違った。題名からもすぐわかるとおり、これは宮沢賢治の『よだかの星』という名作をベースにしている。この作品内でも言及されているが、私も学校の授業で知って以来大好きな作品だ。自分は「みにくい」と嘲られても、自分の周りの人間を傷つけるわけにはいかないと、死に向かって飛んでいくよだか。心の澄んだ素晴らしい登場人物でまさに宮沢賢治そのものといった感じで、宮沢賢治作品の中でも私の中で一、二位を争う作品だ。

この物語の主人公は顔の左側に生まれつきアザのある女の子。
小さい頃からおじいちゃんのおかげでそれをコンプレックスに思わずに生きてきたが、小学校の先生の一言によって、それはコンプレックスを持つべきものなのだと意識してしまう。
それから静かに生活し、大学では理系を選び大学院まで進んで研究を続ける。彼女。しかし出版社の友人から顔にアザや怪我がある人の写真集的なものを作るから協力して欲しいと言われたことから彼女の人生は変わっていく。

映画監督との出会い・付き合いや大学の先輩や同僚との関わりの中で、自分にアザがあることと正面から向き合い、自分だけでなく他人と社会とのつながりを考えるようになる主人公。とにかく真っ直ぐで真面目な姿があまりにも素晴らしい。

p.208
「あなたが思っているほど、多くの人は深刻にも真剣にも生きていないんだ。だから真の孤独の中にいるとき、受け止めてくれる人の存在は貴重なんだよ。アイコさんの真面目さや真剣さを、その先輩はきっと欲しているんだよ。」

p.213
「私はずっとこのアザを通して人を見てた。でも、だからこそ信頼できる人とだけ付き合ってこられたんです。ミュウ先輩もその一人です。」

簡単・簡潔に感想を言葉にできないほど、深くて考えさせられる素晴らしい作品。
ひさしぶりに良著に出会えたきがする。
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Op.126 チェロ協奏曲第二番 [ショスタコーヴィチ 協奏曲]


Shostakovich: Cello Concertos Nos.1, 2, Satires

Shostakovich: Cello Concertos Nos.1, 2, Satires

  • 出版社/メーカー: Russian Revelation
  • 発売日: 1998/04/21
  • メディア: CD



第一楽章 ラルゴ
★★★★☆☆☆☆☆☆
チェロがソロで暗く重い前奏を奏で、その後同じような第一主題を奏でる。伴奏も弦楽器の低い音でとにかく暗く思い。第二主題は若干光がさしたような感じがあるがそれでも重い。展開部はパーカッションも交じり少し諧謔的で明るい。最後は少し明るく終わる。

第二楽章 アレグレット
★★★★★☆☆☆☆☆
明るく楽しげにはねた感じで始まる。途中からパーカッションも活躍を始め、チェロとバトルが始まる。アタッカでそのまま最終楽章へ。

第三楽章 アレグレット
★★★★★☆☆☆☆☆
華やかだけれどどこか影のあるファンファーレで始まる。激しいチェロのカデンツァの後、叙情的なメロディが流れる。行進曲風になった後、打楽器とのやりとりが始まる。混沌とした雰囲気の後、静かになり瞑想的なメロディがチェロによって奏でられる。最後はユーモラスに終わる。

普通。
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Op.なし ジャズ組曲第二番(ステージ・オーケストラのための組曲) [ショスタコーヴィチ 交響詩]

01 マーチ
★★★★★★☆☆☆☆
元気なマーチ。

02 ダンスNo.1
★★★★★★☆☆☆☆
元気な前奏の後、絶対に踊れないだろう!というスピード感のある二拍子の曲となる。楽しい曲ではある。

03 ダンスNo.2
★★★★★★☆☆☆☆
軽やかな、今度は少し優雅に踊れそうな曲。

04 小さなポルカ
★★★★★★☆☆☆☆
愛らしい音の愛らしい曲。

05 叙情的なワルツ
★★★★★★★☆☆☆
仄暗い美しいワルツ。何故か最後は明るい。

06 ワルツNo.1
★★★★★★★☆☆☆
優美で優雅な美しいワルツ。

07 ワルツNo.2
★★★★★★★★☆☆
Jazz組曲No.1のワルツを転調したもの?

08 フィナーレ
★★★★★★☆☆☆☆
太鼓の音が鳴り響き壮麗な前奏が成り、楽しく可愛らしい雰囲気となる。

Jazzっぽくはないが楽しい曲。
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Op.なし ジャズ組曲第一番 [ショスタコーヴィチ 交響詩]

01 ワルツ
★★★★★★★★☆☆
非常に美しい旋律のワルツ。途中少し哀愁漂う感じになるところも良い。名曲。

02 ポルカ
★★★★★★☆☆☆☆
本当にJazzっぽい感じの軽い舞曲。

03 フォックストロット
★★★★★★☆☆☆☆
哀愁漂うメロディを持った美しい曲。

綺麗な旋律の確かにJazzっぽい曲。ショスタコーヴィチって器用な人だったんだなとわかる曲。
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