SSブログ

ファーストラブ [文学 日本 島本理生]


ファーストラヴ (文春文庫 し 54-3)

ファーストラヴ (文春文庫 し 54-3)

  • 作者: 島本 理生
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/02/05
  • メディア: 文庫



島本理生の直木賞受賞作で映画化もされている作品。

父親を殺してしまった女子大生を中心に、彼女のルポルタージュを書く事になった臨床心理士の女性の話。

どちらの女性も重い過去を背負い、結局精神的に追い詰められた状態で、奔放な性行為に走る、というのは島本理生の小説のパターンと言える。やはり読んでいてこういう描写はちょっとつらい。こちらも前回読んだ『ナラタージュ』と同じように、女性が受ける性暴力(肉体的&精神的)がテーマとなっており、ここに司法も絡んでくるので、物語がかなり重層的で深いものになっている。

正直言うと、裁判の結果が私としては納得いかない感じだが、そのあとにやって来るエンディングエピソードは何故か心がほっこりする。

p.21
「孤独と性欲と愛の区別は難しい」
この言葉はどの島本作品にも横たわっているテーマな気がする。

直樹賞受賞作だけあり、確かに面白かった。
nice!(0)  コメント(0) 

Op.070 交響曲第九番 変ホ長調 [ショスタコーヴィチ 交響曲]

第一楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
軽妙な弦の音で始まる。管楽器も混じり軽妙な音楽は続く。軽い行進曲風になった後、中間部は若干シリアスに。最後は行進曲風に勇ましく終わる。

第二楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
少し乾いた感じのメロディで幽玄な雰囲気で始まる。どことなくエキゾチックなメロディ。少し不安げな雰囲気がやってくる。その後仄暗い雰囲気となり、最後は静かに淡々と乾いたメロディが回帰され終わる。

第三楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
クラリネットの軽快な音で軽妙に始まり、段々と盛り上がっていき勇壮な感じになる。

第四楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
アタッカで三楽章から続いて始まる。かなり悲劇的でこの曲の中では珍しい感じ。すぐに穏やかになりエキゾチックなメロディが流れる。再び悲劇的な雰囲気となった後、静かでグルーミーな感じになる。

第五楽章
★★★★★☆☆☆☆☆
アタッカで四楽章から続いて始まる。乾いた感じの行進曲風で始まる。軽妙に淡々と曲は進んでいく。段々と感情の高まりを見せ、勇ましい行進曲となる。最後はスピードを挙げて盛り上がって終わる。

全体的に軽妙で楽しくはあるが、普通。
nice!(0)  コメント(0)